SUPER☆GiRLS リーダー 渡邉幸愛が卒業 その功績と新時代スパガへの期待
タレメREPORT2021年4月28日5:00 PM
アイドルグループ・SUPER☆GiRLSが通算26枚目となるシングル『はじまりエール』を4月21日にリリースしました。本作は6月にグループを卒業するリーダー・渡邉幸愛さん単独センターの卒業曲となっています。これまで中心メンバーとして、そしてこの2年半はリーダーとしてグループを引っ張ってきた渡邉さんの歩み、功績と、その後の新時代スパガへの期待を記します。
★浅川梨奈さんとともにスパガの飛躍に貢献
SUPER☆GiRLS(通称 スパガ)は2010年『avex アイドルオーディション2010』の合格者で結成され、同年、アルバム『超絶少女』でデビュー。“アイドル戦国時代”と言われた当時から、正統派のアイドルソングとパフォーマンスで、AKB48グループやハロー!プロジェクト、ももいろクローバーZらのスターダストグループなどに次ぐブレイクを狙う存在として注目されてきました。
これまで在籍したメンバーには、“1000年に一度の童顔巨乳”のキャッチフレーズ”でグラビアで人気者になり、現在は女優として活躍する浅川梨奈さんや、女優と声優の両輪で活動する前島亜美さんら、数多くの女優、歌手、タレントがいます。
SUPER☆GiRLSは、AKB48やモーニング娘。などと同様、メンバーの卒業と新加入により、メンバーが入れ替わることで新鮮さを維持しつつ進化していくシステムで、卒業、脱退していったメンバーの一方、2014年には2期メンバー、2016年には3期メンバー、2018年に4期メンバーが加入しています。渡邉幸愛さんは2期メンバーとしてグループに加わりました。
渡邉さんはもともと2010年のオーディションに参加しており、そのときは入賞することができず、地元・仙台で芸能活動していたところ、2期メンバー加入のタイミングで声がかかり、メンバー入りを果たしました。当初から歌割やステージパフォーマンスにおいて目立つポジションを与えられるなど期待されていたメンバーで、グラビアでブレイクした同期の浅川さんとともに高い人気を誇り、メディアに取り上げられる機会も増えました。二人はスパガの飛躍の立役者といえるでしょう。
2019年はじめには、グループを結成時からの初期メンバーや、浅川さんら2期メンバーの同期も全員卒業。同タイミングで、グループ初の一般公募オーディションで合格した7名が新加入しました。実はこのタイミングで渡邉さんも一度卒業を考えたといいます。その頃には将来に向け、新たな夢を抱いていたようですが、「新たに入ってくれたメンバーたちとまた新しいスパガを作りたいという思いも強かったので、残ることに決めました」(Girls Newsインタビューより)と語ってくれました。そして渡邉さんが5代目リーダーに就任。「そこからは“日本武道館に立つ”という目標を立てて、ひたすらそこに向かって、“本当に叶えるんだ!”という気持ちでやってきました」(同上)と、強い気持ちをもって“新生スパガ”を率いることになりました。
2019年からの新生スパガにおいても渡邉さんは高い人気を誇り、リーダーを担いつつ自身がセンターポジションでパフォーマンスする機会も目立ちました。また渡邉さんが新曲リリースにあたっての楽曲選定などグループのクリエイティブ面にも参加しています。
2020年以降はコロナ禍に見舞われ、十分な状態でライブやイベントができない中、オンラインを使ったファンとの交流を、リーダーとして先頭に立って行い、人気を維持してきました。そんな渡邉さんが昨年12月のライブでグループのからの卒業を発表しました。
★人間的にもボーカリストとしても強い魅力をもったリーダー
渡邉さんは昨年自粛期間になったときに、またじっくり自分と向き合う機会があったといいます。「ちょっと時間に余裕があったので、自分の将来のこととか改めていろんなことを考えていたときに、自分がやりたいこと、もうひとつの夢に向かいたいという思いが改めて出てきて。その一方で後輩のみんながすごく成長しているなと感じてきたので、このタイミングだったら卒業しても大丈夫かなと思い……」(Girls Newsインタビューより)と、卒業を決心した経緯や思いを明かしてくれました。
卒業シングル『はじまりエール』では、楽曲選定にはじまり、作詞の原案、MV製作、衣装選定などで幅広く意見を取り入れてもらったとのこと。随所に渡邉さんのこだわりが込められています。そして6月12日には東京・Zepp Divercityで卒業ライブが予定されています。
人気メンバーとして、またこの2年半はリーダーとして、SUPER☆GiRLSを7年間引っ張ってきた渡邉さん。その姿勢や発言においてプロ意識の高いアイドルとして定評があります。
まず周りの人から慕われる人柄。リーダーとしてグイグイ引っ張るようなイメージではありませんが、その人が真ん中にいることで、みんなが一つになれるような愛すべき人物像。現在のSUPER☆GiRLSは、中学生時代から活動している3期メンバーの一方、その後輩で、初の一般公募オーディションで加入した4期は20歳以上のメンバーも多く、そんな複雑な年齢構成のメンバーもすぐにまとまった印象がありますが、それは渡邉さんの人柄によるところも多いのではないかと思います。
もちろんその魅力は人柄だけではありません。歌手としては、柔らかく、かつ力強い歌声で歌の世界を表現。アップテンポの楽曲ではロックボーカリストのようにパワフルに聴こえるときも。考えてみると渡邉さんがスパガ加入前に在籍していたParty Rocketsはロックテイストが強い音楽性のグループだっただけに、それもうなづけます。キャピキャピした歌声が目立つ現在のメンバーのなかで、渡邉さんの太くしっかりした歌声は、楽曲に厚みを与えています。
またグループ活動以外では、グラビアでも高い人気を誇っていました。スリムな体型でありながらも独特な艶っぽさを醸し出す。グループでの元気なキャラクターやほっこりした笑顔とのギャップで、見る人を惹きつけ、そんなグラビアを入口にファンを拡大させました。
そして何より、渡邉さんが真ん中にいるSUPER☆GiRLSは見る人を思わず笑顔にするような楽しい雰囲気に満ちています。後輩メンバーの樋口なづなさんが『はじまりエール』のMVについて「最後のサビに向かっていくところで、幸愛さんがバーンっと笑顔で走ってきて、みんなで踊るというシーンがあるんですけど、そこで“今のスパガが楽しいんだよ!”というムードが一つの画面で楽しめる気がして、すごく観ていただきたいんです」(同上)と語ってくれましたが、まさにそのシーンに象徴されるような楽しさを見せてきたのではないでしょうか。
★4期メンバーも個性や持ち味を発揮 “幸愛魂”を引き継ぐ新生スパガに期待
3期メンバーで、最近ではセンターポジションの楽曲も多く、2019年以降のスパガを渡邉さんとともに引っ張ってきたメンバーの阿部夢梨さんは「私は幸愛さんとは5年間ほど一緒で、幸愛さんがいるのが当たり前という環境で活動してきたので、大きな存在がいなくなるということが未だに想像できていないんですけど、メンバーそれぞれが前へ進んでいかないと、ファンのみなさんもついてこれないかなと思うので……。でも幸愛さんがいてくれるこの3ヶ月間、とにかくたくさん笑いたいなと思います!」(同上)と力強く語ってくれました。
阿部さんは、これまでも渡邉さんとともにシングルやアルバムリード曲の選定に参加するなどクリエイティブ面でも参加し、次代のグループを引っ張る存在として期待されているようです。
また阿部さんら3期メンバーの後輩である、2018年加入の4期メンバーもそれぞれのスキルアップはもちろん、個性や持ち味を発揮し始めています。
特に昨年発売のシングル『明日を信じてみたいって思えるよ』でセンターポジションを務めた樋口なづなさん。加入当初はどこか自信なさげな雰囲気だったのが、最近ではパフォーマンスに自信が出てきたように見え、ルックス的にも当初と比べかなり洗練されてきました。現在まだ19歳。今後のグループのエース的な存在に育っていくのではないでしょうか。
また坂林佳奈さんはニューシングル収録曲『Bloom』で作曲を担当。グループ史上、メンバーが作曲した曲がリリースされるケースははじめてのことです。音楽専修学校出身で学生時代から作曲経験のあるという坂林さん、今後もその音楽的な才能の開花に期待です。
渡邉さんが目標に掲げていた日本武道館単独公演はまだ実現していませんが、そんな“幸愛チルドレン”たちが叶えてくれることに期待です。
文/田中裕幸