Juice=Juice 宮本佳林が卒業を発表 ハロプロOGとして異色の将来に期待
ハロー!プロジェクトのアイドルグループ・Juice=Juice の宮本佳林さんが、今年6 月に Juice=Juice 及びハロー!プロジェクトを卒業することを発表しました。
卒業後はソロアーティストとして活動していくとともに「新たなライフスタイルを模索して、人間としても成長し続けられる人でありたいと思いました」とその思いを語っています。
そんな宮本さんの、卒業を決めることになったいきさつと、今後への期待を記したいと思います。
■グループ結成以来不動のエースとして活躍 一方昨秋からソロ活動を本格化
宮本さんは2008年にハロプロ研修生となりました。加入直後から、アイドルファン、ハロプロファンの間で高い人気となり、デビューを待ち望む声が上がっていました。
ですが、その後、モーニング娘。やスマイレージ(現アンジュルム)のメンバーオーディションに参加したものの不合格になり、後輩に先を越されるという辛い経験もしています。
そして満を持して、2013年に結成されたJuice=Juiceのメンバーに。結成から約半年後の同年9月に『ロマンスの途中』でメジャーデビューしました。
宮本さんは当初から、人気、実力ともグループの中心メンバーとしてグループを牽引。
2016年には、念願の日本武道館公演を開催、その後も毎年武道館公演を行い、そして昨年末には初の代々木第一体育館 単独公演も成功させました。
一方で昨年秋には初のソロライブツアーを開催するとともに、本格的には初のソロ曲を配信リリースするなど個人の活動も始動していたところでした。
これからもグループのエースとして、ますます存在感を発揮するのでは、と思われていた一方、ソロ活動の本格化も期待されていた、そんな2020年が始まったこのタイミングでの卒業発表となりました。
宮本さんは卒業後の活動について、「ソロパフォーマーとして新たな表現活動にチャレンジしていきたい」とのことで、歌やダンス、演技といったこれまでの活動は続けていくといいます。
グループやハロプロとの関わりについては「私の人生だと言えるくらいハロー!プロジェクトとJuice=Juiceが大好きなので、卒業してもJuice=Juiceやハロー!プロジェクトのメンバーと色んな形で共演できたら…」と語っており、ファンにとってはひとまず安心といえるのではないでしょうか。
その一方自然に触れながら、DIY やインテリアなど、もの作りをしていくことに興味があり、そういった新しいライフスタイルを模索していく様子を、SNS などを通じて提案していきたいという希望を持っているようです。また今後の活動の一環として、ダーチャ(菜園付きセカンドハウス)の視察も予定しているという予想外の展望で、ファンを驚かせました、
宮本さんは具体的に「自分のライフスタイルを見つめ直し、追求して、その様子を皆さんにも SNS などで発信していきたいし、感受性を磨いて、自分なりの表現方法を見つけてパフォーマンスに活かしていきたいと思っています」とコメントしています。
■食生活やボディメイクなどにも強い関心 ブログでの意識の高さにも注目
宮本さんはステージ上では、“アイドル・サイボーグ”の異名をもつほど、歌やダンスから、その言動、表情に至るまで完璧なアイドル像を見せています。一方ステージを降りたところでは、食生活やボディメイクなどに強い関心を持ち、こだわりのあるライフスタイルを見せています。
以前のブログでも、創作料理に取り組んだり、おからクッキー、ゆで小豆のようなお菓子作り、ドレッシング作り、お茶に凝ったりなど、こだわりの食生活についてたびたび綴っています。
ちなみに、Juice=Juiceリーダーの金澤朋子さんはファーストフードやインスタント食品が大好物ですが、宮本さんはそれらはほとんど口にしないようです。
また筋トレやヨガに打ち込むなどボディのケアにも余念がなく、ブログでもジムでのトレーニングについて語る機会もありました。さらにメイクやスキンケアについて持論を語ったりすることも。そんな姿勢を見るたび、彼女はいずれ音楽の世界を飛び出して、“ハイパー・ライフスタイル・クリエイター”(!?)みたいな、横文字で長い肩書きの人物になるのではと思ったものでした。
■音楽の枠にとらわれない、幅広い層に支持されるインフルエンサー的存在に!?
2年前の2ndアルバムのリリース時のインタビューでは、グループ活動のかたわら、一人でDTMを駆使して楽曲制作に取り組んだり、それに伴いギター演奏もしているという話をしてくれました。そのギターをバースデーイベントで披露するなど、音楽面での新たな挑戦にも意欲的な宮本さんです。
歴代のハロプロメンバーの中でもアーティスト志向が強い宮本さん、いったん関心が向くと、とことん突き詰めていくタイプのようですので、卒業後の彼女の音楽制作も楽しみで、グループ在籍時以上に、音楽を突き詰めたり、それについての自身の考えや込めた思いを発信していくのではと思われます。
アイドルグループ出身者が卒業しソロ活動を開始する場合、ありがちなことが、本人は音楽的に新たな挑戦を試みていながら、実際に応援しているのはグループ時代のファンばかり……という状態。
もちろん、グループ時代のイメージを脱皮した新たな挑戦も引き続き支持してくれるファンの存在は心強いと思いますが、そこに偏ると広がりがなくなってしまうもの。さらに対象を幅広く想定した活動を期待したいところです。
たとえば女性対象のメディアで、自身のライフスタイルや取り組みについて話をする機会を積極的に作っていくなど、これまでのファン層以外のところにそのパーソナリティがリーチするような試みをしてほしいものです。以前ブログで自分流メイクの紹介をしていたこともありましたが、そういった発信も増やしていくのもいいかもしれません。
卒業発表時にコメントした“DIY”“インテリア”などにおいて、具体的にどんな取り組みをしていくのかにも興味津々です。宮本さんの志向的に、現時点で発表している活動の展望や希望から、年齢を重ねるごとにさらに進化したり形を変えていく可能性も考えられます。
20代後半、30代になる頃には、音楽の枠に収まらない、幅広い層から支持されるインフルエンサー的な存在になるのではと、そんな期待を抱きます。
文/田中裕幸