JASRAC上半期徴収額が過去最高
エンタメNEWS2024年10月24日2:34 PM
日本音楽著作権協会(JASRAC)は24日、都内で2024年度上半事業報告記者会見を開催し、実績について徴収額は672.8億円、分配額は677.2億円と、どちらも上半期として過去最高額となったことを発表した。
2024年度上半期の徴収額は672.8億円で前年度比19.3億円増。インタラクティブ配信やコンサート分野の好調に加え、カラオケの分野もコロナ禍以降の回復傾向が続いていることが反映された。配信市場は拡大しており、動画サブスクリプションや動画投稿サービスなど動画関連が約12%増、音楽サブスクリプションで約9%増と成長が続いているという。一方で、オーディオディスクで約12%減、DVDやBDなどビデオグラムで21.1%減と減少した。
分配額は677.2億円で前年度比30.9億円増。演奏会、インタラクティブ配信や演奏会などの好調な徴収実績によるもの。さらに分配対象作品数は約287万曲。250万曲を超えるのは、これまでは年度末の3月に見られることだったが、昨年3月から6月、9月と250万曲以上で推移しており、伊澤一雅理事長は「いよいよ大台に乗ってきた」と評し、「音楽市場の豊かさや音楽クリエイターの裾野の広がりを示すものであり、それを対価の還元に反映できた」と述べた。また、外国からの入金は10.9億円。19年度同期比で3倍以上に増加した。
2期目に入った伊澤理事長は「急速に発展している生成AI、コンテンツ産業を国の基幹産業にしようとする動き、それらが進む今日にあって、クリエイターの価値の向上がより一層求められてる」とし、「JASRACは音楽クリエイターの集う場所となるという将来像を持って、創作の価値を高めていきたい」と意気込みを示した。
さらに、「クリエイターファースト」として具体的な施策を聞かれた伊澤理事長は、生成AIへの対応に言及。国内でJASRACとして生成AIを開発する企業や利用する企業と対話していると述べ、「やっぱりクリエイターに対する敬意がなければ、法律的に整理を付けただけでは、社会の皆さんの理解や支持は得られないんじゃないかと思う。クリエイターが作った作品あってこそのAIならば、それを踏まえた規制や対価の還元のあり方も含めて一緒に考えていきたい」との呼び掛けた。
会見には増田裕一常務理事、須子真奈美常務理事も出席した。
ORICON NEWS(提供:オリコン)
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音楽
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