3年ぶり開催の“国民的美少女コンテスト”グランプリが決定 その審査ポイントを探る

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タレメREPORT2017年8月22日11:00 AM

グランプリに輝いた京都府の中学2年生、井本彩花さん

これまで米倉涼子さん、上戸彩さん、武井咲さんら多くの人気女優・モデルを輩出してきた「全日本国民的美少女コンテスト」が、今年3年ぶりに開催。先日本選大会が行われました。そしてグランプリをはじめ7人が入賞、未来のスター候補がここに生まれました。新時代の美少女、今回のグランプリはどんなタイプだったのでしょうか。

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グランプリは京都出身の中学2年生 “国民的美少女”の伝統を汲んだ正統派

全日本国民的美少女コンテストは、後藤久美子さんをイメージキャラクターとして1987年に第一回大会が開催。グランプリには現在も女優として活躍している藤谷美紀さんが選ばれています。グランプリ以外にも「審査員特別賞」「演技部門賞」「音楽部門賞」などの部門賞があり、毎回7〜10名程の入賞者が生まれます。上記のほかにも、剛力彩芽さん、河北麻友子さん、福田沙紀さん、忽那汐里さんら人気の女優・モデル・タレントらを輩出しています。

今年で15回目の開催。今回本選大会に参加したのは8万通を超える応募の中から予選を勝ち抜いた21人。下は12歳の小学6年生から上は17歳の高校2年生まで。ウォーキング、自己PRに続き、歌唱、演技の審査に臨みました。みんな緊張は隠せないものの、話す内容はしっかりしていたうえに、歌で音程を外したり高音が出なくて失敗しても、泣いてしまったり崩れてしまうことはなく、ハートの強さがうかがえました。このコンテストではファイナリストは前日までに練習やリハーサルをみっちり行うこともあってか、みんな口を大きく開けてハキハキ話す様子も印象的でした。

そんな中、見事グランプリに輝いたのは京都府の中学2年生、井本彩花さん。特技は小学校から習っているクラシックバレエで、そのためか姿勢の良さが印象的です。目標は武井咲さんのよう女優になることだそうです。

井本さんは美しい黒髪が特長で、清純なイメージに溢れた美少女。このコンテストでグランプリや各賞に選ばれた人は、いずれも時代の流行に左右されない清純なイメージで、意志の強そうな目に加え、モデル事務所のオスカープロモーションが運営していることもあり身体のバランスにも優れています。

小学生などローティーンであっても、審査スタッフはこれまでの経験や同伴している親御さんを見て、どれくらい背が伸びるか、身体のバランスはどうなるかを判断するといいます。今回のグランプリの井本さんも、おおむね、こうした歴代の入賞者たちの伝統に合った少女といえるでしょう。

今回審査員間の意見が割れて、かなり審査が難航したと聞きます。実際に会場で見ていても誰がグランプリに選ばれてもおかしくない状態でしたし、審査員自身も「井本さんのここが圧倒的だからグランプリ」というような、明確な勝因は語れないと思います。

そんな国民的美少女コンテストのグランプリといえば、もともとはキリッとした美人タイプが中心でしたが、1997年の第7回大会で、親しみやすい可愛さが持ち味の須藤温子さんがグランプリに選ばれ、以降、美人タイプ(将来美人になりそうなタイプ)と、親しみやすく可愛いタイプの両方が選ばれる場合があります。近年では、2012年の13回大会のグランプリの吉本実憂さんと小澤奈々花さんはキリッとした美人タイプ、前回2014年の14回大会のグランプリ・高橋ひかるさんは親しみやすいタイプといえるでしょうか。

またアイドルグループが全盛の昨今、以前ならタレントとしてデビューできるルックスの水準にない人でも、キャラクターなどその他の要素に魅力があればデビューさせ、“グループのメンバー”マジックで人気が出るパターンも多々見受けられますが、このコンテストでは、そういったビジュアル面での妥協は一切なしで、美しさは大きなこだわりポイントとなります。

女優の世界では、広瀬すずさんや芳根京子さん、永野芽郁さんといった、女子高生役ができる若手エース級、ヒロイン級の女優が、高校を卒業したり、まもなく卒業という年齢にさしかかり、“そのあとの世代”のブレイク候補が注目されますが、井本さんもそんななかに参戦していけそうな、魅力的な素材です。

グランプリ以外の人も芸能活動を開始する人が多数 ここからが本当のレース!?

国民的美少女コンテストの特徴として、入賞しなくても、ファイナリストやそれ以前に落ちた人でも好成績を収めた人は本人が希望すればオスカープロモーションに所属することができます。今回、入賞できなかったファイナリストたちも、おそらく大半の人は所属すると思います。実際に、グラビアやフジテレビ『スカッとジャパン』などで活躍する中村静香さん(第9回大会出場)は入賞していませんし、剛力彩芽さん(第8回)にいたっては本選に進むことなく落選しています。

同コンテストの審査の基本的な考え方として、「グランプリ受賞者はあくまで本選大会の日に一番輝いていた」人だということ。応募対象である10代の女性は短期間、もっといえば一日一日で変化していくといっても過言ではありません。本選後、あっという間に部門賞受賞者がグランプリ受賞者を魅力で上回ることも珍しくありません。

そういう意味では、入賞できなかった人たちもスターになる可能性は十分にありますし、またグランプリの井本さんもこの栄誉に満足することなく、「ここからが闘いのスタート」という気概で頑張ってもらいたいものです。

歌唱審査では松田聖子、キャンディーズなど“オジサン向け”の選曲が目立つ  その理由は!?

その他、今回のコンテストのステージで注目ポイントを挙げていくと…。まず自己PRの内容は、それぞれ練習してきたセリフをがんばって話している印象でした。自己PRではおそらく事前に考えた言葉を言うように指示されていたと思うので、その人の個性がわかるリアルな言葉が聞けるのはその後の審査員との質疑応答での受け答えとなります。そのコーナーをうまく使って自己PRにつなげられる人がもっといてもよかったかもしれません。もっとも、10代の女の子が、大緊張するステージの上ではなかなか簡単なことではありませんし、もらった質問があまり面白くないものやざっくりとしたものだと、個性を出す答えをすること難しいと思いますが…。

かつて上戸彩さんが小学生だった1997年、第7回大会に出場した際、歌唱審査で吉村由美さんの『V・A・C・A・T・I・O・N』を歌いましたが、簡単な独自の振り付けを入れ、その愛らしさで注目されました。今回の参加者でも歌いながら独自の振りを入れている人もいて、それはインパクトを与えていました。一方、音楽部門賞を受賞した藤田桜恵香さんのように、小学生ながら洋楽曲を本格的に披露し、そのギャップで魅了していました。

歌唱審査といえば、選曲において親御さんの気合がよく表れていました。今回目立ったのは、松田聖子さん、岡本真夜さん、ZARD、Whiteberryなど、1970年代〜2000年代初頭のお母さん世代やそのさらに上の世代の楽曲が多く、10代の女の子が普段カラオケで歌うような最新のヒット曲はあまりありませんでした。

キャンディーズの『年下の男の子』を歌った中2の森本茉莉さんが審査員から「なぜこの曲を?」と聞かれ、「お母さんがカラオケで歌っていてこの曲を知って、審査員の方はこの世代の方が多いと思って」と語っていましたが、他の人もやはり審査員に“ささる”曲として選んだと思います。

でも、同じ発想の人が多くなると、逆に中高生のカラオケ定番曲のほうがナチュラルで好感が持てるのでは?とも思いました。ちなみに、アイドルグループ・X21を擁するオスカーに配慮してか、人気のAKB48グループや乃木坂46、欅坂46の曲を歌う参加者はいませんでした。

また演技審査では、未経験者が大半のため、現時点での技術はほとんど関係なかったと思われます。そんななか、庄司凜花さんがセリフや設定に感極まってか、涙を流していたのが印象的でしたが、そういう感受性の豊かさを見るのが一番の審査ポイントだったと思います。

今回グランプリに輝いた井本さんは、映画出演、ドラマ出演、歌手デビューなど、受賞者特典を通して、これから大プッシュされることでしょう。メディアで目にする機会も増えると思います。ですが、他の入賞者やファイナリストの中で、メインではない形で出た作品で注目され、一気に事務所から“推されモード”になった人も過去に何人もいます。果たして、今年の参加者のなかから米倉さん、上戸さんのようなトップ女優、タレントになる人はいるか、今からとても楽しみです。

文/田中裕幸

 

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