鶴光「落語は本妻でラジオは愛人」

#笑福亭鶴光

エンタメNEWS2024年10月15日7:00 AM

笑福亭鶴光 (C)ORICON NewS inc.

 「わんばんこ!」。1970年代~80年代にかけて『オールナイトニッポン』で全国のティーンエイジャーの夜をつややかに、そして刺激的に彩ってきた笑福亭鶴光(76)が、今年でニッポン放送パーソナリティ歴50年を迎えた。今は夕方を主戦場に、リスナーを楽しませている鶴光に独占インタビューを敢行。『オールナイトニッポン』デビューから今のラジオ界まで、縦横無尽に語ってもらった。Vol.2では『オールナイトニッポン』を彩った“下ネタ”誕生秘話を明かす。

【貴重ショット】鶴光でおま!『オールナイトニッポン』時代の写真

 当初の約束通り、あのねのねが3ヶ月後に戻ってきて、僕は違う曜日で『オールナイトニッポン』をやっていたんですけど、ほどなくしてあのねのねが終わって、また土曜の『オールナイトニッポン』をやることになって、それから結果的に11年9ヶ月続くことになったんです。だから、パーソナリティーにとって、居直るって大切やね。かわいがってもらおうとか、無難にやろうとか思ったらダメや。もう勝負をかけるときは、グレーゾーンのギリギリまで行く。だけど、グレーゾーンをこえてはアカン。

 僕の『オールナイトニッポン』といえば下ネタという人が多いやろうけど、ラジオで下ネタを始めたきっかけは、番組ディレクターだった亀渕(昭信)さんの言葉も大いに関係しているんです。初回を終えた後に「君のディスクジョッキーには、セックスアピールが足りない」って言うて、なんやそれはという話ですが(笑)。それで、僕なりに考えて、リスナーみんなが想像をかきたてて興奮したミニラジオドラマ「ミッドナイトストーリー」のコーナーを思いついたんです(笑)。

 当時、僕はターゲットを大学生に絞ったんですよ。なんでかというと、そうすることで、それよりも上の年齢の大人は「今の若いヤツは、どんなことを聴いているのか」と聴いてくれる。下の年代の高校生、中学生の子たちにとっては、ちょっと大人の大学生へのあこがれもあって聴いてくれるということで、多くの世代に聴いてもらえることになるわけやね。

 僕は本来は落語家で、落語会や寄席で古典落語をやっているから、ラジオとのギャップに悩んだこともありました。「落語は本妻でラジオは愛人や」ってよく言うんですけど(笑)、落語をやる時は真面目にやらないといけない。落語で弾けるっていうのは、僕の考えではダメなんですよ。あくまで古典落語は古典落語のセオリー通りやるべきだけど、こっち側(ラジオ)は何やったってええと。

 笑福亭鶴光の読み方も、実は落語とラジオで変えているんです。本当は「つるこ」なんですよね。それはなぜかというと、大阪は言葉を縮めて言うんです。ウチの師匠も、松に鶴で本当やったら「しょうかく」やけど「しょかく」ですよね。だから、オレも「つるこ」になったんやけど、ラジオで「つるこさん」って呼ばれると、なんか変な感じやんか。だから「つるこう」にしようと。だけど、報道機関っちゅうのはきちんとしとるから「『つるこ』と『つるこう』、どっちがええんですか?」って聞かれたりして「どっちでもええわ!」って言うたりしてましたよ(笑)。(Vol.3に続く)

【笑福亭鶴光】
高校卒業後、1967年に6代目笑福亭松鶴に入門。1968年に初舞台を踏む。1974年にはニッポン放送の「オールナイトニッポン」、1987年から2003年までは「鶴光の噂のゴールデンアワー」でラジオパーソナリティとして人気を博す。上方落語協会・落語芸術協会の両方に籍を置き、上方落語協会に籍を置いて東京の寄席でトリを取れる唯一の落語家。10月1日からは『鶴光の噂のゴールデンリクエスト』(火~木 後6:00)を担当している。

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