業界初のオタク女性専門ジムが好調
エンタメNEWS2025年1月30日7:30 AM
「推しに恥じない体になりたい」という人のために開業されたオタク女性専門パーソナルジム「Clara」。代表取締役CEOのSAKUさんもコスプレイヤーで生粋のオタクだ。トレーナーは全員オタク、フィギュアが並ぶジムでは、声優とコラボしたイケボトレーニングなどの独自プログラムが熱い支持を集め、大阪・福岡と店舗展開が地方へと広がっている。縁が遠そうなオタクと運動について、SAKUさんに話を聞いた。
【画像】「甘えは捨てるんだ…」佐藤拓也や杉山紀彰ら、『ジョジョ』『NARUTO』声優の紳士から爽やか系までイケボトレーニングが炸裂!
◆コスプレ衣装が着られなくて通ったパーソナルジム 陽キャの体育会系トレーナーと会話が合わずオタクの壁を感じた
――オタク女性専門のパーソナルジム・Clara開業までの経緯を教えてください。
【SAKUさん】 コスプレをしていた中、年齢とともに体重も増加し、20代の頃に自作した衣装が着れなくなったことにショックを受けて、一大決心してパーソナルジムに通いました。ですが、もともと陰キャのオタクなので、陽キャの体育会系トレーナーさんと会話がし難く、オタクとしては通いづらさを感じました。もっと楽しく通えるジムがあったらなと思い、開業しました。
――オタク女性にカテゴライズした狙いを教えてください。
【SAKUさん】 最初はいろいろ悩みましたが、オタクでも男女では文化が違います。コラボカフェに通いながら痩せたい、推しに恥じないスタイルになりたい、推しに体を誇りたいといったオタク女性の気持ちに応えるジムにしようと思いました。オタク女性が求める居心地の良さや安心感のある空間にすることを重視しています。
――現在の状況を教えてください。
【SAKUさん】 珍しさもあり、オープン当初から大きな反響がありました。現在は東京3店舗、大阪と福岡で5店舗になります。想定していたよりも需要が高く、ジムへの評価をいただきながら、順調に拡大しています。現在会員は200人ほどで、オタクトレーナーは19人です。
――トレーナーさんも全員オタクなんですね。
【SAKUさん】 かなり厳しく審査しています。推しがいることが大前提ですが、その上でお客様の話を聞いてそれに興味を持ち、自身の推しの話もしながら、お客様を励ますコミュニケーションが取れるのか。傾聴力を重視しています。
――オタク女性専門を謳っていますが、他のジムとの違いを教えてください。
【SAKUさん】 業界初のオタクジムであり、私を始めスタッフやトレーナー全員がオタクです。それが最大の特徴だと思います。お客様はトレーニングをするためにジムに来ますが、運動しながらトレーナーと推し活の話を楽しみ、励まされることで元気になる。お客様に寄り添って、楽しい時間を過ごしてもらうことを第一にしています。
◆推しに会える場が増えたことで、オタクの美意識に変化も…「オシャレでキレイな人が多い」
――内装も、ほかでは見ないようなジムになっています。
【SAKUさん】 “推しに囲まれながらトレーニング”を掲げて、かなりこだわっています。最初は私の推し活グッズを置いていたのですが、トレーナーもお客様も「これを飾りたい」と持ってきてくれるようになり、アニメや漫画、ゲームなどのグッズがあふれる、温かい空間になっています。ジムに流れる音楽はもちろんアニソンです。
――声優の声でトレーニングをするイケボトレーニングなど、独自プログラムも特徴的です。
【SAKUさん】 イケボトレーニングは声優とのコラボで、第1弾は佐藤拓也さん(『アイドリッシュセブン』十龍之介役、『ジョジョの奇妙な冒険』シーザー・アントニオ・ツェペリ役など)、第2弾は阿部敦さん(『アイドリッシュセブン』逢坂壮五役など)、第3弾は駒田航さん(『アイドルマスター SideM』古論クリス役、『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』入間銃兎役など)、第4弾は杉山紀彰さん(『NARUTO-ナルト-』うちはサスケ役、『ヘタリアWorld Stars』イギリス役など)の撮り下ろしボイス。それぞれ30種類あり、お客様のトレーニングに合わせて、甘いボイスや気持ちが上がるような励ますフレーズなどをトレーナーが流して、モチベーションを高めます。すごく反響をいただいており、イケボトレーニング目当てで入会される声優ファンの方も多くいます。
――声優さんのほか、IPとのコラボはどのようなことを行っていますか?
【SAKUさん】 ゲーム『エルシャダイ』との期間限定コラボでは、人気キャラクターのルシフェルがトレーナーになりました。書き下ろしのセリフを竹内良太さんの声で甘く、ときに厳しく励ますトレーニングです。2.5次元舞台の俳優さんとのエクササイズイベントでは、鍛え抜かれた体躯のspiさんがバーチャルトレーナーになって指導する動画に出演していただき、ダンスインストラクターとしても活動されている進藤学さんとアニソンを聴きながら楽しくエクササイズするイベントなども行いました。
――オタクの方を含め多くの人にとって、パーソナルジムの門戸を叩くことにはハードルがあると思います。それを乗り越えて入会された会員さんのモチベーションはどこにあるのでしょうか。
【SAKUさん】 トレーナーと推し活の話をしながらトレーニングできることの楽しさや、推しグッズがありつつオシャレで落ち着いた内装や雰囲気に安心すると言っていただける方が多いです。16キロ減量された方は、自分に自信がつき、推しのお渡し会で、いつもより推しの目を見て話せたと喜んでいました。
――かつてのオタクは「不健康」「見た目に自信がない」など、どちらかというと負のイメージを持たれていました。いまや3人に1人が推し活を行う中、“オタク”がポジティブワードに変わりました。見た目に関する意識の変化をどう感じていますか?
【SAKUさん】 リアルな現場ではかなり変わっています。特に、2.5次元舞台やアイドル好きは、美意識が高く、自身の見た目にも気を配り、オシャレな方が多いと感じます。そこには、推しがキレイでカッコいいから自分も頑張りたいというポジティブな意識があります。加えて、周りにかわいいオタクが多いので、自分もかわいくなりたい、推しに恥じない体になりたいという意識もあるようです。会員さんにも、「イベントがあるから太りたくない」「こういうスタイルになりたい」という方が一定数いらっしゃいます。また、推し活イベントの連戦は体力が必要なので、そのためにトレーニングをしたいという方も多いです。
◆オタクは体力的に無理をしがち、パーソナルジムでオタクの健康を支えたい
――それはこの10〜20年の間の変化のように感じますが、どうでしょうか。
【SAKUさん】 そうですね。アイドルの握手会、ハイタッチ会、お渡し会など、実際に推しに会える場ができたことで、美意識や自身を高めるマインドが高まっていると思います。アニメ界でも、いまは声優さんがキャラクターとして活動して、ライブやイベントがあったり、アイドル化しているので、その影響もあります。
――その意識によってパーソナルトレーニングを続けることが、オタクの方の健康を促進している面もありそうです。
【SAKUさん】 オタクの方は、体力的に無理をしがちです。ライブで3時間以上うちわを振り続けていたり、グッズを買うのに3時間以上並んだり、演劇では全国各地の会場で昼と夜の公演を観て新幹線で帰って、翌日は仕事と、一般的な方よりも疲労をため込んでいます。健康のためにも、習慣づけて運動をして体を鍛えていくのは大事なことだと思います。体を鍛えれば自分に自信もつくし、健康になるとマインドも前向きになり、推し活にもプラスになります。パーソナルジムでオタクの健康を支えたいと考えています。
――継続のための秘策などはありますか?
【SAKUさん】 お客様のなかには、最初はダイエット目的で始めたけれど、トレーナーが推しと言ってくださる方もいらっしゃいます。トレーナーとの日々の推し活の会話を楽しみながら、トレーニングが習慣づいている方が多く、契約の継続率は8割を超えています。
――ジムを通して推し活市場の変化をどう感じていますか?
【SAKUさん】 昔に比べて、オタクの推し活に肯定的な時代になってきたと思います。私はオタク歴20年以上ですが、以前は隠していた時期もありました。でも、いまはオープンにしているコスプレイヤーも多くいますし、推しがいるのは良いことと肯定的に認められてもいます。
その転機になったのは、アイドル文化の影響が大きいと思います。AKB48の台頭で推しという言葉が一般的になり、『あんさんぶるスターズ!!』などアイドルのソーシャルゲームやアニメもすごく増えて、2次元と3次元の垣根がなくなってきました。あとは、コロナ禍の巣ごもり生活のおうち時間で、アニメを観る人が増えたこともあります。誰かを応援するのが楽しいという文化が広がりました。
――独自プログラムが人気ですが、いま企画しているコラボはありますか?
【SAKUさん】 オタク女子向けのマッチングアプリ「Favomatch」との共催で、推しを語り合う恋バナ交流のオフ会『夢女とリアコの恋バナイト』を2月12日に開催します。オタクの縁をつなぐコミュニティ作りをやりたくて起業したので、オタクの輪が広がるようなイベントを開催していきたいと考えています。
――今後の「Clara」の方向性をどのように考えていますか?
【SAKUさん】 フィットネスなど多くの方が幅広く通える形体のジムも考えています。これまで女性専門でしたが、昨夏に福岡の天神スタジオでは、男性のお客様の受け入れもスタートしました。性別に限らず、世界中のオタクを健康にすることを理念に掲げています。オンライントレーニングには、韓国やアメリカの方も参加しているので、海外需要の可能性も感じています。いずれは日本アニメが浸透している地域から出店して行きたいと考えています。
(文/武井保之)
ORICON NEWS(提供:オリコン)
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