快適な家を手に入れるために!あなたは持ち家?賃貸?不動産トラブルについて弁護士に聞いてみた!
タレメREPORT2016年9月5日9:55 AM
夏ドラマ「家売るオンナ」が放送中です。「私に売れない家はありません!」と豪語し、有言実行、どんな家でも売ってしまう北川景子さん演じる三軒家万智(さんげんやまち)の姿が爽快ですが、現実ではそんなにスムーズには行かず、様々な不動産トラブルに巻き込まれるケースも少なくないようです。
ウシジマくんはドラマだけの話?実際の“借金問題”について弁護士先生に聞いてみた!
そこで今回は、不動産トラブルに関する相談内容や、良く起こる問題について、弁護士の先生に色々とお話を聞いてみました。今回“不動産トラブル”について教えて頂いたのは、アディーレ法律事務所の正木裕美先生です。
--記者
人生でもっとも大きな買い物と言われる「家」ですが、やはり不動産に関するトラブルって多いものなのでしょうか?不動産に関して特に多い相談や問題、また、逆に珍しいトラブル・相談などがありましたら教えて頂けますでしょうか?
--正木先生
持ち家の場合、建てる、売る、買う、貸す、リフォームなど色々な場面でトラブルになることはよくあります。家自体についてですと、事前に聞いていた家のイメージや環境と実際が違うとか、土地や家に不良が見つかった、という相談も少なくありません。仲介手数料や報酬など不動産業者とのトラブル、高額リフォーム請求などたくさんのトラブルがありえます。
--記者
家の購入となると、まだ経験の無い若い方も多いと思いますが、賃貸となれば多くの人が経験されていると思います。賃貸物件のトラブルですと、比較的若い方も多い気がしますが、改めて賃貸不動産に関しての良くある問題や相談内容・珍しいトラブルについて教えて頂けますでしょうか?
--正木先生
賃貸契約でのトラブルも色々ですが、多いのは退去時の原状回復や敷金返還のトラブルでしょうか。退去時にクリーニング代を払わなければいけないと思っている方も多いのですが、よくよく聞いてみると、誰でも起こりうる通常損耗や経年劣化といった、本来借主が払わなくてもよい内容が含まれていることも少なくありません。汚さないよう、普通の掃除をするのはもちろん大切なのですが、退去時に引かれる費用やその内容はちゃんと確認しておきましょう。
最近は引っ越し先のお隣さんがゴミ屋敷で悪臭に悩んでいる・・・というお話もありました。ゴミ屋敷問題はニュースにもなっていますが、借りるときには近隣の状況を確認するのも大切ですね。
--記者
不動産に関する問題が起こった時、やはり私たち素人には分からない事も多く、泣き寝入りしてしまう事がほとんどだと思います。実際問題、不動産業者や相手方に対して、どの程度まで責任を問え、どこまでの改善を求められるものなのでしょうか?今までにあった具体的な事例で教えてください。
--正木先生
不動産に関するトラブルでは、建築や不動産に関する専門知識が必要なこともありますし、仲介業者の不動産屋さんの方が知識も多いので、「~です」といわれると、そういうものかと思いがちということはあります。
たとえば、賃貸では、立ち退きを突如求められてしまったというご相談も多いのですが、賃貸契約の更新拒絶は簡単には認められず、大家さん側に正当理由がなければなりません。法律や裁判例などをもとにして、それぞれのご事情に応じて判断することになりますが、そもそも正当事由がない場合には要求を拒絶することもありますが、事情に応じて、転居の方がベターと思われる場合には、立ち退き料の交渉をし、引っ越しが可能な状況に持って行くということもあります。
もっとも、ご近所の方とのトラブルの場合、弁護士が介入することで今後の生活がしにくくなると思われるケースも散見されますので、あえて弁護士が正面から介入せず、こういう交渉の方法がありますよとアドバイスにとどめさせていただくこともあります。
--記者
賃貸契約や不動産購入など、生活をする上で誰しもが経験する事だと思います。トラブルに巻き込まれないようにする為に私たちが気をつけるべき事を、改めて教えて頂けますでしょうか?
--正木先生
トラブル防止のためにまず大切なのは、契約書と重要事項説明書のチェックです。
普通はこういうものだという思い込みは捨てて、業者任せにせず、自分の目で書面の内容をちゃんと確認するのが大切です。また、少しでもわからないこと、「ん?」と疑問に思ったことは、そのままにせず必ず確認をすることです。
とはいえ、難しくて理解しにくいことがあるので、仲介業者の方にわかりやすく説明をしてもらうのが大切ですし、そのために信頼できる業者を選ぶのもポイントです。
ご相談の際には、契約書や関係する書類などを一式持ってきていただくのですが、よくよく見てみると実は契約書に書いてあったということもあるんですよ。
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というワケで、今回は“不動産トラブル”について、弁護士の正木裕美先生に色々とお話を伺いました。やはり、契約する前に契約書を細かくチェックする事、そして分からない事、不安に思うことは、恥ずかしがらずに理解出来るまで確認する事が大切なようです。人生でもっとも大きな買い物と言われる家。あとからトラブルが起こらぬよう、業者選びにも気をつけましょう。三軒家万智(さんげんやまち)のような信頼できる担当と巡り会える事が出来れば安心ですね。
取材協力
正木裕美(まさきひろみ)弁護士(愛知県弁護士会所属)
弁護士法人アディーレ法律事務所