多汗症を発信する女性

エンタメNEWS2025年4月7日7:30 AM

「多汗症」を発信するみみさん

 気温に関係なく汗をかき、緊張や集中でさらに正常じゃないほどの汗をかいてしまうという多汗症。ただの汗かきと間違えられ、「なんか手が濡れてる」「手がキラキラしてる」と汗に対して気持ち悪いと反応されることもあったという。生まれた頃から、25年間多汗症と向き合っているみみさんは、「同じ症状で辛い思いをしている人の役に立てれば」とSNSで症状や治療法について発信している。「手を繋げないから腕をつかんでいた」「紙袋には持ち手にタオルを巻く」など多汗症について赤裸々に語る動画は共感を呼び、「私も多汗症なので、すごく気持ちわかります」「辛さが共有できてうれしい」などと反響が寄せられた。多汗症を発信することへの思いや、病気との向き合い方について、投稿者・みみさんに話を聞いた。

【写真】タオルがないと生きていけないほどの汗が…みみさんの実際の多汗症の症状

■認知が高くない「多汗症」、毎日タオルがびしょびしょになるほどの量の汗をかくことも

――TikTokでは多汗症について発信されていますが、SNSでご自身の症状を発信するのは勇気がいることだったと思います。どのような思いで発信を始めたのでしょうか?

【みみさん】多汗症は、ただの汗かきだと思われることが多く、認知もあまり高くなかったので、辛い思いをしている人たちの役に立てば、共感できる人が増えることで勇気が出ればという思いで始めました。

――ご自身が多汗症と気づいたのは何歳頃だったのでしょうか? また、多汗症と知ったときのご心境についても教えてください。

【みみさん】両親曰く生まれた頃から多汗症だったようで、幼稚園の頃には多汗症について認識でき、友達と触れ合う機会が多い幼少期は、手が触れることをなるべく避けようと思いながら遊んでいた記憶があります。

――動画内には、「多汗症ってみんなが思っているより生きづらい。汗かきとはまた違う」というコメントもありましたが、具体的にはどういった症状があるのでしょうか?

【みみさん】気温に関係なく汗をかき、緊張したり集中したりすると汗をかきます。私は手と足と脇が酷く、特に手足はタオルがびしょびしょになる程の量を毎日かきます。

■汗に関して「気持ち悪い」と言われることも…就活では職業を選択する際に悩み

――25年間多汗症と向き合ってきたとのことでしたが、多汗症によって、思春期や学生時代に周囲からの言葉や態度で傷ついたことや精神的に辛い経験などはございましたか?

【みみさん】「なんか手が濡れてる」「手がキラキラしてる」など汗に関して気持ち悪いという言い方で言われることが多々ありました。また、少し手が触れてしまったり、手を繋がないといけない体育祭など、友人の手に私の汗がついてしまった時にさっと手を拭われるのがなんだか辛かったです。

――「手を繋げないから腕をつかんでいた」「可愛いサンダルを買っても靴下なしでは履けなかった」「テニスを手袋してやっていた」など多汗症であることで、ご苦労されてきた場面が色々とあったと思うのですが、どのようにメンタルを維持されていたのでしょうか? 

【みみさん】一生付き合うものだとわかっていたので、基本的にはしょうがないという気持ちで乗り越えてきましたが、幸いなことに大人になるとからかわれることや必ず手を握らなければいけないなどの場面が減り、自然と気にならなくなっていきました。また、周りの友人も気にしないで、話題にあまり触れないでいてくれる方ばかりで恵まれました。

――「大学ではアパレルを専攻していて、単位を取るために布をびしょびしょにしながら裁縫をしていました。学生のときは楽観的だったので、選択は慎重に」ともコメントされていましたが、仕事を選ぶ際に多汗症であることが影響した経験もあったのでしょうか?

【みみさん】就活の時に色々と悩みました。化粧品や洋服が好きだったのでアパレル関係や美容部員などを考えていましたが、手をよく使う仕事は難しいと改めて思い諦めました。

■治療法は多数「汗で苦しんでいる人もいると周りが知っているだけでも悩みが減る」

――TikTokの投稿には「汗のことを考えると余計に出てくる」ともありましたが、季節やメンタルによって左右されることもあるのでしょうか? 少しでも症状が緩和した治療・対処方法について教えてください。

【みみさん】もちろん暑い時の方が汗をかく量は多いです。この病気は自律神経が関係してくるので、リラックスしている時の方が汗は出にくく、寝ている時は手足の汗はかいていないです。 色々試しましたが、ETS手術(脇にある汗腺を切る手術)とダーマドライ(手に微量の電気を流す治療)が私には効果がありました。

――この先「多汗症」という病気に対して、世間が理解を進めるためにどんなことが必要だと思いますか?

【みみさん】SNSで広めることも必要だとは思っていますが、まずは周りの人で多汗症のような症状(正常ではない汗の量)だなと少しでも疑問に思ったら、からかったり、気持ち悪がったりせずに、ひょっとしたらそういう病気があるのかもと、いつもと違う視点で考えてみると知らない病気をみなさんに知っていっていただけるのかなと思います。また、ただの汗かきだと自身で思っている方々も、ひょっとしたら何かの病気かもしれない、と少し疑ってみてほしいです。病気だとわかれば楽になることもあるかもしれません。

――今後、ご自身の活動を通してどのようなことを伝えていきたいですか?

【みみさん】辛い思いをしている方同士、共感し、解決方法をコメントで話したり、少しでも多くの人に希望が見出せればと思っています。まだまだ知らない方も多いかもしれませんが、汗で苦しんでいる人もいる、ということを周りが知っているだけでも多汗症に苦しむ人たちにとっては悩みが1つ減ると思っています。また多汗症によってやりたいことがやれないのは私もたくさん経験してきました。完治はしませんが治療法はいくつもあります。自分に合った治療法を見つけて、やりたいことが1つでも増えるような生活が送れたらと思います。

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