俳優・伊藤孝雄さん死去 87歳
エンタメNEWS2025年1月9日3:47 PM
俳優・伊藤孝雄さんが、2024年8月14日に都内の自宅で多臓器不全のため死去していたことが分かった。87歳。所属していた劇団民藝が公式サイトで発表した。
同サイトでは、「訃報:伊藤孝雄が逝去致しました」と題し、「劇団民藝演技部の俳優、伊藤孝雄(いとう・たかお、本名)が、2024年8月14日(水)に都内の自宅で多臓器不全のため逝去しました。87歳でした。葬儀は同年8月18日(日)に家族のみで執り行われました」と報告。「ここに謹んでお知らせ致します。誠に勝手ながら、御香典、御供花の儀は故人の遺志によりご辞退申し上げます」と呼びかけた。
同劇団は、俳優座養成所で同期だった日色ともゑ、樫山文枝のコメントを発表。日色は「60年以上孝雄さんとは沢山の舞台で共演しましたが誠実で立っているだけで素敵な人でした」となつかしみ、樫山は「目の覚めるような天下の二枚目なのに中身は三枚目でユーモアあふれる愛すべき人でした」「支えていただいたことの多さにお礼も言えなかったことが悔やまれます」「長い間本当にお疲れさまでした。やっとゆっくり休めますね。ありがとうございました」と悼んだ。
伊藤さんは、1937年1月31日、岩手県出身。早稲田大学法学部中退。63年俳優座養成所(12期)を卒業後、劇団民藝俳優教室に入所し、65年劇団員となる。民藝での初舞台は64年ベーハン作『人質』レスリー・ウィリアムズ役。1967年にサルトル作『汚れた手』ユゴー役と木下順二作『白い夜の宴』一郎役で紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞。映画、舞台など幅広く活躍し、吉永仁郎作『集金旅行』(2020年)での津村家の番頭が最後の舞台となった。
■樫山文枝・日色ともゑ コメント全文
▼樫山文枝
目の覚めるような天下の二枚目なのに中身は三枚目でユーモアあふれる愛すべき人でした。どんな役にも真剣にとり組む孝雄さんの姿が目に焼きついています。恋人だったり夫婦だったり、最後は娘の役まで共演させていただきました。支えていただいたことの多さにお礼も言えなかったことが悔やまれます。長い間本当にお疲れさまでした。やっとゆっくり休めますね。ありがとうございました。
▼日色ともゑ
孝雄さんは劇団に入ってすぐにサルトルの『汚れた手』(宇野重吉演出)で主役をつとめました。「回収不能だ!」最後の台詞が東横ホールの客席に響きわたり、感動で席を立てなかったことを今でも思い出します。その後60年以上孝雄さんとは沢山の舞台で共演しましたが誠実で立っているだけですてきな人でした。
ORICON NEWS(提供:オリコン)
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