ブレイクは女優だけじゃない!? 森七菜の歌手としての魅力と将来性

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タレメREPORT2020年9月15日4:16 PM

昨年映画『天気の子』のヒロイン声優でブレイク、今年もNHK連続テレビ小説『エール』や映画『ラストレター』など話題作への出演が相次ぐ森七菜さん。

一方、今年1月に小林武史さんのプロデュースにより歌手デビューも果たしています。

以前このコーナーで森さんの女優としての期待について書きましたが、ここでは、彼女の“歌手”の部分に絞って、その魅力や将来性などを紹介します。

■演技同様 歌の主人公になりきって歌う『カエルノウタ』

森さんの歌手としてのスタートは、今年1月に発売されたシングル『カエルノウタ』。

出演した映画『ラストレター』の主題歌でした。松たか子さん、福山雅治さんらが出演、手紙を題材に二つの世代の男女の恋愛模様を描いた物語、その映画の世界観に合った内容で、作詞は監督の岩井俊二さん自らが手掛けました。

荘厳な雰囲気のサウンドに乗せ、物語を語るように歌う森さんの歌声が印象的で、心に染み入ります。映画で共演した福山雅治さんは、そんな森さんの歌声について「透明感、瑞々しさのある歌声」と絶賛していました。

森さんはこのデビュー曲で、人気音楽番組『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に出演。

初めてのテレビの歌番組、しかも生放送での歌唱ということで、緊張感は相当なものだったと思います。そんな中番組のトリで堂々の歌唱。技術的にすごく上手というわけではありませんが、岩井さんが作詞した、映画『ラストレター』とリンクした詞の世界を演じるように歌う姿は多くの視聴者の心に“刺さった”ようで、SNSなどで大きな反響となりました。

一曲の中でも、序盤のやわらかい雰囲気からサビ以降の思いを強く込めた歌唱まで一本の“作品”を演じたような歌唱でした。歌の終盤では涙ぐんでいた森さん。大きな緊張感の中やりとげた安堵もあると思いますが、歌の主人公の気持ちに入り込んだゆえの涙だと察します。

■観る人を思わずニコニコとさせる元気な歌声と表情 『スマイル』の威力

セカンドシングルは、現在本人出演の「オロナミンC」のCMソングになっている『スマイル』。

男性二人組の人気アーティスト・ホフディランが1996年にリリースしたメジャーデビュー曲のカバーで、こちらは『カエルノウタ』とは一転、CMのコンセプト通り、彼女の“元気ハツラツ”な面が出た楽曲となっています。

この曲は、8月の“金曜パーソナリティ”として出演した『ZIP!』(日本テレビ系)の中で初披露しました。こちらも生放送の人気番組ということで、緊張感も大きかったと思いますが、元気いっぱい、実に堂々とした歌いっぷり。

Mステのときと同様、白のワンピース姿で登場しましたが、その雰囲気はかなり違ったものでした。

途中歌詞を間違えてしまう場面もあったのはご愛嬌。

でもそのエピソードからもわかるように、彼女は“生歌”で披露しています。女優が歌手として歌う場合、そのイメージを維持するために、いわゆる“口パク”にする場合もあるようですが、生歌で一生懸命歌う姿にも好感を持てます。

歌い終えたあとに「間違えちゃった~」と、歯を見せて大笑いする様子もまた周りを和ませるスマイルでした。

歌うのが楽しくてしょうがないといった表情を見ていると、思わずニコニコさせられる、そんなパワーを持っています。

『ZIP!』の中では、共演した吉田沙保里さんのギターの演奏とともに、あいみょんさんの『マリーゴールド』をカバーしたことも。

透き通るような歌声はそのままに、やさしさにあふれ、どこか郷愁感を感じさせるような歌で、また違った魅力を聴かせてくれました。そして、さらにその歌の振り幅を示してくれました。

最新出演作の映画『青くて痛くて脆い』の中では、バンド活動によって心を開いていく不登校の少女役を演じていますが、その中でバンドでベースを弾きながら歌うシーンもあります。

ここではロックで、さらに素人バンドという設定もあって、喉でがなるように歌うという、『カエルノウタ』『スマイル』とも違う歌を聴かせてくれます。この映画の撮影は昨年夏ということで、実は森さんにとってはこれが初の歌への挑戦となったようです。

■人気ミュージシャンとのコラボが楽しみ ミュージカル出演にも期待

10月スタートの連続ドラマ『この恋あたためますか』(TBS系)で主演に抜擢されるなど、これから女優としてますますの飛躍が期待される森さん。

ですが、歌手活動もメインの活動の一つとし継続的に続けてもらいたいものです。上記のように、女優らしく物語の世界観を綴るように歌う、その表現力は特筆ものです。

これからも映画やドラマ出演を通してミュージシャンと関わりも出てくると予想されますが、そういった人たちとのコラボも楽しみです。

たとえば『天気の子』の音楽を担当したRADWIMPSの野田洋次郎さんなど。野田さんが創る楽曲の世界観と森さんのボーカルは親和性が高いと思われるので期待したいところです。

また、将来的にはミュージカルへの出演にも期待したいところです。彼女の歌の魅力に加え、ときに感情が昂ぶる芝居を身体いっぱいに使って表現する姿や、またバラエティ番組で見せるその動きの面白さなど、舞台で観るのが楽しみな要素もいっぱいです。

今後も女優としてはもちろん、“歌手・森七菜”のまだ見ぬ部分の魅力をどんどん発揮してくれることを楽しみにしたいと思います。

文/田中裕幸

 

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