フェアリーズ、こぶし、さんみゅ〜…実力派ガールズグループが続々と活動休止に 改めてその“すごさ”を再確認したい
今月、ガールズグループ・フェアリーズが5人組グループとしての活動を終了することを発表しました。フェアリーズといえば、“アイドル”というカテゴリーには収まらない、レベルの高いダンスパフォーマンスに定評がありました。
さらに彼女たちのほかにも、今年は実力派ガールズグループの解散、活動休止のニュースが相次ぎ、ファンを悲しませています。ここでは、そんな実力派グループを紹介します。
■パフォーマンス力の高さで現役アイドルからもリスペクトされた“フェアリーズ”
フェアリーズは2011年に結成。同年9月にシングル『More Kiss/Song for You』でメジャーデビューしました。7人組グループとしてデビューし、2017年1月以降は5人組で活動していました。
今回5人のメンバーのうち、井上理香子さん、野元空さん、林田真尋さんの3人が所属プロダクションとの契約を終了し、フェアリーズとしての活動も終了。グループ自体が解散するというわけではないようですが、引き続きプロダクションに残る伊藤 萌々香さんと下村実生さんの二人でグループを継続していくかなどは未定となっているようです。
フェアリーズの魅力はなんといってもダンスパフォーマンスのスキル。ハイレベルなダンスをハイヒールで踊る姿は男女問わず多くの人を魅了しました。またその状態で生歌を披露するというのも彼女たちの強みでした。
フェアリーズ『Metropolis~メトロポリス~』
https://m.youtube.com/watch?v=xN2rT4bv12U
またフェアリーズの大きな特徴としては、そのパフォーマンスのレベルから、多くの現役アイドルたちから尊敬されているということ。フェアリーズがきっかけでこの世界を目指したという人も少なくありません。Juice=Juiceのリーダー・金澤朋子さんもデビュー前にはファンだったと話しています。
同じくハロプロのこぶしファクトリーの元メンバー・広瀬彩海さんも、メンバーの活動終了発表当日にTwitterを更新。「私の人生の中で間違いなく全てにおいて1番でした この先一生自分の中でフェアリーズを超える存在は現れないんだろうなぁ、9年間たくさんの幸せをありがとうございました」と、その熱い思いを綴りました。
■ア・カペラ動画でそのボーカル力が一躍注目された“こぶしファクトリー”
その広瀬さんがリーダーを務めていた、こぶしファクトリーも今年3月に惜しまれながら解散しました。ラストステージは新型コロナウィルス感染拡大の影響で無観客となりましたが、CSでの生中継で多くの人に感動を与えました。
こぶしファクトリーはハロー!プロジェクトの研修生グループとして2015年に結成。同年『ドスコイ!ケンキョにダイタン/ラーメン大好き小泉さんの唄/念には念(念入りVer.)』でメジャーデビューを果たしています。ちなみに、フェアリーズもこぶしファクトリーも、デビュー年にともに「輝く!日本レコード大賞」の最優秀新人賞を受賞しています。
こぶしファクトリーが、所属するハロー!プロジェクトの中でも、実力派と呼ばれるようになったのは、なんといってもYouTube番組でのアカペラ動画の公開からでした。2018年から『チョット愚直に!猪突猛進』『念には念(念入りVer.)』など自身の楽曲やハロプロの先輩の楽曲で美しいコーラスワークを聴かせてくれています。
先輩の鈴木愛理さん(元℃-ute)はその歌声に感銘を受け、自身のTwitterで「うちの後輩がすごすぎるんです、、、 動画見つけてから何度見たことか!! ガチですごいからぜひ見てください! スキルのハロプロって胸張って言える動画すぎる」と絶賛していました。
これらの動画はハロプロファン以外にも評判となり、彼女たちのこれからの音楽的な成長がますます楽しみになっていたタイミングでの解散発表はファンのみならず、多くの人を残念な気持ちにさせました。
ア・カペラ動画はもちろん今でも視聴することができるので、ぜひチェックして、そのクオリティを実感してもらいたいものです。
こぶしファクトリー《アカペラ》念には念(念入りVer.)
https://m.youtube.com/watch?v=EL9Tlx4GOiY
そんな、こぶしファクトリーのメンバーだった井上玲音さんは、解散後、同じハロプロのJuice=Juiceメンバーとして電撃加入しました。新型コロナの影響もあり本格的なグループ活動はまだですが、井上さんの本格始動後は、Juice=Juiceの楽曲からも“こぶし”の遺伝子を感じることができるかもしれません。
■ただの清純派ではない そのボーカル力の高さが魅力だった“さんみゅ〜”
松田聖子さんはじめ数多くの人気アイドルを生み出してきたサンミュージック初のアイドルグループとして、2013年に『くちびるNET WORK』でデビューした、さんみゅ〜も、こぶしファクトリー同様、今年3月で活動に幕を下ろしました。
デビュー時から“純白アイドル”と銘打ち、オリジナル曲のほか、事務所の先輩アイドルたちのカバーも多数披露してきました。そのイメージから、実力派というより、ルックスありきの可愛い子ちゃんグループの印象を持つ人も多いかもしれませんが、特に後期のライブでは本格的なパフォーマンスを見せてくれていました。
生バンドをバックに実施していたアコースティックライブでは、特にボーカルグループとしての魅力を存分に味わうことができました。観衆を圧倒するようなパワフルなボーカルを聴かせる新原聖生さんをはじめ、色とりどりの個性を持つボーカルが重なり合う、さんみゅ〜の魅力いっぱいのステージは今でもYouTubeなどで観ることができます。また、その新原さん、野田真実さんは、現在3人組グループ・MELLOW MELLOWのメンバーとして活躍中。その歌声に触れることができます。
【さんみゅ〜】2020年2月29日 sunmyu meets acoustic vol.5(ほぼノーカット版)
https://m.youtube.com/watch?v=FsN61UiUxE8
■本格的なロックサウンドで会場を熱狂させた“Party Rockets GT”
仙台発のグループ・Party Rockets GTは、メンバーたちの可愛いルックスとは裏腹に、本格的なロックサウンドの乗せたハードなダンス&ボーカル パフォーマンスを見せ、アイドルフェスなどの場でも異彩を放っていました。ですが残念ながら今年2月で現体制での活動を終了しました。
2012年『初恋ロケット』でデビュー。当初は、SUPER☆GiRLSの現リーダー・渡邉幸愛さんもメンバーとして在籍していました。渡邉さんは、キャピキャピした歌声のメンバーが多い現在のSUPER☆GiRLSのメンバーの中でも、ひときわパワフルなボーカルで存在感を発揮していますが、パティロケ出身と聞くと“なるほど”と思わせられます。
その渡邉さんとともに結成当初から活動し、今年2月の活動終了までグループを牽引してきたHARUKAさんは、「吉木悠佳」として引き続き活動を続けています。ソロでの音楽活動の本格再開にも期待したいところです。またParty Rockets GTは解散したわけではないので、今後新たなメンバーで、その遺伝子を引き継いだ活動にも期待を持てます。
Party Rockets GT - 01-ゼロイチ
https://m.youtube.com/watch?v=S1AP-AX8Mds
今回紹介したグループ、その活動休止はいずれも音楽界、アイドル界にとって大きな損失といっても過言ではありません。ですが彼女たちの遺した音楽やパフォーマンスはYouTubeなどを通して触れることはできます。また、引き続きソロやグループで活動しているメンバーたちの歌声、パフォーマンスを通じて、そのグループのDNAを感じることができるので、よければチェックしてみてください。
文/田中裕幸