ハロプロ、ベビメタ、東京女子流、TPD…パフォーマンス力で勝負するグループが次々続々

#リスペクト#サウンド#研修生#グループ#東京女子流

タレメREPORT2016年6月7日12:55 PM

モーニング娘。がここ数年美しいフォーメーションダンスで人気を博していますが、最近のアイドルグループでは、本格的なダンスや歌で魅せるグループが増えています。一口に“アイドル”というジャンルで括るのは難しいほど、そのレベルはアーティスト系グループと肩を並べるもの。ここではそんな実力勝負のガールズグループを紹介します。

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高いパフォーマンス力で同業のアイドルからもリスペクトされるハロー!プロジェクト

モーニング娘。'16をはじめ現在のハロー!プロジェクトのグループはそのスキルの高さで定評があり、同業のアイドルでリスペクトしている人や、ハロプロに憧れてアイドルになったという人も少なくありません。その中でも“お姉さん”格にあたる℃-uteは、メジャーデビュー11年目。長年の経験に裏打ちされた歌、ダンス、ステージを魅せる力は、単独ライブはもちろん、フェスや対バンライブに出た時にもその場の空気を一気に彼女たちの色に染めてしまうパワーがあります。

今年11月に初の武道館公演が決まったJuice=Juiceは、高木紗友希さん、宮本佳林さんを中心に際立った歌唱力、そしてキレのある5人のダンスパフォーマンスに定評があります。昨年、日本レコード大賞最優秀新人賞を受賞した、こぶしファクトリーも新人らしからぬパフォーマンスのレベルの高さ。Juice=Juiceやこぶしファクトリーは大半のメンバーがハロプロ研修生出身。ハロプロの研修生は厳しいレッスンで知られ、研修生の間から先輩のステージのバックダンサーを務めていることで実戦経験も豊富なことが強みとなっています。

可愛さだけでなくサウンドとボーカル力の高さで大人からも支持を得るBABYMETAL

海外でも大人気のメタルダンスユニット・BABY METAL。アイドルとメタルサウンドの融合という目新しさや、そのステージパフォーマンスの可愛さも人気の要因ではありますが、それだけではありません。ヘヴィーメタルファンも納得させる本格的なサウンド(これは本人たちによるものではありませんが)、それに負けないメインボーカル・SU-METALさんのボーカル力が評価されているポイントといえます。アイドルファンや同年代の人たちだけでなく、アイドルには興味のないような中年の音楽ファンにまで、幅広い層の人に支持されています。

ローティーンから活躍するエイベックスの秘蔵っ子・東京女子流

アイドル戦国時代といわれて久しくなりますが、今後が楽しみな若手グループにも、実力派として鳴らすグループもいくつかあります。その一つが東京女子流。エイベックス発のガールズグループとして2010年に結成。当初は5人組グループでしたが、現在は山邊未夢さん(19歳)、新井ひとみさん(18歳)、中江友梨さん(18歳)、庄司芽生さん(18歳)の4人組。2012年と2013年に武道館公演を2回実現しており、人気と実力を兼ね備えたグループです。

シングル曲の大半は人気クリエーターの松井寛さんが編曲として関わり、アイドルソングとは一線を画したクオリティの高さで、耳の肥えた音楽ファンからも評価を得ています。ダンスパフォーマンスも目を引くものがあり、ライブのクオリティにも定評があります。ショッピングセンターなどでリリースイベントとしてアイドル的なミニライブも行っていますが、パフォーマンスのレベルでも曲数でも、アイドルのリリイベとは一味違う本格的なステージが繰り広げられています。

篠原涼子さんを輩出した東京パフォーマンスドールが2013年から再始動中

東京パフォーマンスドールは、1990年代前半、篠原涼子さん、穴井夕子さんらが在籍した同名グループのDNAを引き継ぐグループ。“初代”が1996年頃に自然消滅的に活動を休止後、17年を経て、2013年、新生・東京パフォーマンスドールがスタートしました。現メンバーはリーダー・高嶋菜七さん(19歳)をはじめ9人。“初代”は、本格的なステージパフォーマンス、そして宝塚歌劇団を思わせるような華やかなショースタイルのライブで、従来のアイドルとは異なるスタイルにより人気を集めましたが、現役もそのDNAを受け継ぎ、群雄割拠のアイドルシーンの中、独自のスタンスで支持されています。

メジャーデビューは2014年6月。3月に発売した『逆光×礼賛』はオリコン週間ランキングでこれまでの最高位2位を記録、リリースするごとに順位を上げてきています。NHKとのコラボ企画「東京パフォーマンスどーも」として米・サンフランシスコでの公演も決まるなど注目度もアップしています。

宮城県出身、アーティスティックな匂いが持ち味のcallme

宮城県出身のcallmeは、早坂香美(KOUMI、20歳)さん、秋元瑠海(RUUNA、19歳)さん、富永美杜(MIMORI、19歳)さんの3人組。2014年、当時アイドルグループ・Dorothy Little Happyに所属していた3人によって結成され、今年から本格的に活動しています。

それぞれの得意分野を生かし、セルフプロデュースを行うcallme。作曲をMIMORIさん、振付をKOUMIさんが担当、それぞれ作詞ができるほか、衣装やメイクのプロデュースも自分たちで手掛けるグループです。Dorothy時代は王道のアイドルソングも目立ちましたが、callmeではアイドルポップスの匂いはほとんどなく、洋楽テイストのダンスミュージックを、激しくかつクオリティの高いダンスで魅せています。

アイドルの形が多様になりますます人気の規模が広がっていくか

90年代~2000年代前半くらいまでは“アイドル”という言葉にはネガティブなニュアンスがありましたが(可愛いだけで実力が伴わない、オタク受けしかしないなどのイメージ)、2000年代後半以降のアイドルブームで、幅広い層に支持されてきたことからイメージが変わり、「私たちは◯◯なアイドルグループです!」と堂々と自己紹介するグループも増えてきました。ですが、最近はそれも供給過多になったイメージもあり、その反動として、本格派志向のガールズグループを求める動きもあるのかもしれません。callmeも東京女子流も東京パフォーマンスドールも自分たちでは“アイドル”とは名乗っていません。

日本のアイドル文化は、パフォーマンス力よりもまずルックスありきで、ファンは、技術的に未熟な子が一生懸命に頑張る姿や、その子がだんだん上手くなっていく過程を観るのが楽しいという傾向がありますが、その一方で、デビュー時から高いパフォーマンス力で勝負するこれらのグループの存在は、従来のアイドルファン以外の幅広い層に支持を得ることができ、広義の“アイドル”としてその人気の規模はさらに広がっていくのかもしれません。

文/田中裕幸

 

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