『君の名は。』上白石萌音、『カインとアベル』山崎紘菜、『咲-saki-』浜辺美波…続々と注目株を輩出「東宝シンデレラ」好調の理由
タレメREPORT2017年2月14日10:55 AM
NHK大河ドラマ『真田丸』の「きり」役が記憶に新しい長澤まさみさん、映画『君の名は。』でヒロイン・三葉役を演じ注目された上白石萌音さん、昨年フジテレビ月9ドラマ『カインとアベル』で山田涼介さん演じる優に思いを寄せる同期のひかり役を演じた山崎紘菜さん。
これらの女優の共通点…それは東宝「シンデレラ」オーディション出身者であること。もともとコンスタントに人気女優を輩出していた同オーディションですが、ここ最近、特に有望な若手女優が次々と生まれ、とても勢いがあります。その勢いの理由とは!?
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第7回大会からは次世代ブレイク候補が続々
2014年に映画『舞妓はレディ』のヒロインを務め、昨年は映画『ちはやふる』でも注目されていた上白石萌音さん。出世作『君の名は。』に続き、昨年秋にはミニアルバム『chouchou』をリリースし、歌手としても本格的に活動。年末の大型音楽特番に出演し、『君の名は。』のテーマ曲の『なんでもないや(movie ver.)』をみずみずしくも深みのある歌声で披露し、知名度をさらに広げました。
“ポスト長澤まさみ”の呼び声が高い山崎紘菜さんは、2011年の第7回大会の入賞者の中では、現在22歳と年齢が高めで身長も170cmを超えるなど異質の存在。本人的にも長澤さんを目標としているとのことで、『カインとアベル』での優に対するひかりの芝居は、『真田丸』で長澤さん演じた「きり」の信繁(堺雅人さん)に対する芝居を思い出させました。
東宝「シンデレラ」オーディションがスタートしたのは1984年。以降計8回開催されています。第1回グランプリの沢口靖子さんを筆頭にこれまで多数の女優を輩出。近年では上記のメンバーのほか、上白石萌音さんの実妹の上白石萌歌さん(第7回グランプリ)は、ミュージカル『赤毛のアン』で主役を務めるなど活躍、また同大会の審査員特別賞の浜辺美波さんは、一昨年『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の実写版ドラマで主人公・本間芽衣子(めんま)役を演じて注目されたのに続き、ドラマ& 2月公開の映画『咲-saki-』で主演を務めるなど、次世代ブレイク女優候補として呼び声高い存在となっています。
「入賞者が育つまで次の募集はしない」方針で一人一人をじっくり育成
芸能界の登竜門的なオーディションといえば、ホリプロ主催の『ホリプロ タレントスカウト キャラバン』、オスカープロモーションなどが運営する『全日本国民的美少女コンテスト』などが有名どころですが、これらのオーディションと東宝が違うところは、「グランプリや入賞者が育つまで次回の募集はしない」というのが基本スタンスだということ。これまでのパターンでは5、6年に一度のペースでの開催となっています。
毎年開催するホリプロや、毎年開催ではないものの東宝に比べて開催頻度が高い国民的美少女と比べると、開催の間隔が長いので、出身女優の数は多くはありませんが、女優をブレイクさせている確率は高いといえます。
通常、まったくの新人の女優をブレイクに導くには、よっぽどの幸運に恵まれなければ3~5年はかかります。長澤まさみさんでも『世界の中心で、愛をさけぶ』(2004年)でブレイクするまで、コンテストから数えると5年近くかかっています。
開催頻度が高いオーディションでは、出身者がブレイクに至る前に次の新人が入ってくることで、時にはブレイク前ながら十分に力を入れて育成、プロモートされないケースもあり得ます。東宝の場合はそれがなく入賞させた新人をじっくり育てることが可能となります。
この東宝「シンデレラ」、もともとは入賞者はグランプリ含め2、3人だったのが、2011年の第7回大会から入賞者を増やし、第7回では7人、そして昨年開催の第8回では6人が入賞しています。また主催の東宝芸能は、以前は新人を採用するには「シンデレラ」からのみだったのが、最近はそれ以外からも積極的に採用。女優はもちろん、アイドルグループやシンガーなどもマネージメント。若手の中でも競争が生まれる効果もあるのではと思われます。
ただ若手タレント全員がブレイクに至るのは簡単なことではありません。もともとの「じっくり育てる」という基本方針と、「若手の競争」がポジティブな形で表れることが望まれます。
清楚で品が良いイメージでCMに強い 第7回メンバーのCMブレイクにも期待
上記育成方針に加え、“東宝”のブランド力も大きく、所属女優は全員が清楚で品の良さを持ったイメージがありCM界でも支持を得ています。多数のCMに出演してきた長澤さんに続いて、上記第7回出身メンバーも今後CM出演も増えていきそうな気配で、さらなる知名度のアップも期待されます。
CMといえば、初代グランプリの沢口靖子さんが長年CMキャラクターを務めてきた『リッツ』が、ライセンス契約の関係で『ルヴァン』にブランド変更、CM出演も“お引越し”した際に大きな話題となりました。沢口さんはライフワークにがなっているドラマ『科捜研の女』も高視聴率を続けるなど、30年以上にわたり一線で活躍しています。
また第1回大会に参加していた斉藤由貴さんは今年デビュー33年目になりますが、昨年からメインで出演するauのCMが大量出稿されたり、デビュー曲『卒業』がドラマ『THE LAST COP/ラスト コップ』の中でカギとなる曲として使われたり、昨年末にはニッポン放送『ラジオ・チャリティー・ミュージックソン』のメインパーソナリティーを25年ぶりに務めるなど、再びの盛り上がりを見せています。
昨年5年ぶりにオーディションを開催 一番にブレイクするのはグランプリ福本莉子さん?それとも…
そんな歴史のあるオーディションが、昨年は上白石姉妹をはじめ前回入賞者の活躍が目立つ中、第8回大会が開催。総応募数9508人の中からグランプリの福本莉子さんをはじめ6人が入賞しました。中でもグランプリに選ばれた福本さんは、その特典として東宝製作の映画で女優デビューが約束されており、今のところ一歩リードといえますが、必ずしもそれだけでブレイクするとは限らず、その他の入賞者が意外なところでチャンスをつかんで先にブレイクする可能性もあります。今後の展開に要注目です。
文/田中裕幸