ドラマ界に影響を与えた作品たち!日本ドラマの流れを変えたターニングドラマ!

#ルール#朝ドラ#時代劇#シリーズ#ターニング

タレメREPORT2015年11月7日9:55 AM

ファッションや音楽だけではなく、ドラマにもブームがあります。

刑事ドラマが流行れば同じようなドラマが増えますし、人情物が増えれば人情物。そして学生ドラマが増えれば、主人公たちの年齢層がグッと下がります。刑事ドラマや特撮が流行ればアクションを志していた俳優・女優さんが台頭してきたり。

もちろんこの流れに乗ることも大切なのでしょうが、理想はやはり、作り手が「良い」と思えるものを流れに関係なく作り、その「良い」ものが視聴者や社会に認められ、流れを作ることでしょう。今回はそんな「日本ドラマ界の流れを変えた」ターニングドラマをご紹介したいと思います。

1時間×毎週の連続ドラマを定番に

以前は、アニメや特撮と同じく30分一本、もしくは映画に準ずる1時間半~2時間の作品が多かった日本ドラマ。1時間が主流になったきっかけは、テレビ朝日の警察ものドラマ『特別機動捜査隊』ではないでしょうか?

人間関係の説明などをすっぱりカットし、純粋に事件だけを追う事で時間短縮。30分ものの特撮や謎解きアニメにしても、前後篇で分けて展開されるパターンが多いですし、事件を丁寧に描くには1時間程度は時間が必要だったのでしょう。

特別捜査機動隊は大人気で、15年に及ぶロングヒットとなり、実際に機動捜査隊が警察に作られるほどの影響を与えました。

1クール12話のルール

また、現在テレビ業界では1年を4シーズンに分け、ドラマは1クール12話前後が主流です。

ロングランの『渡る世間』シリーズは4クール、『金八先生』シリーズは2クール半年周期、『相棒』シリーズなども2クール弱(前後の空期間はバラエティのスペシャル放送が主流)ですが、クールの切れ目にはバラエティの特番やスペシャルドラマを放送し、後半戦に突入するなど、ある程度のルールが守られています。

この4クール制の仕組みは、1980年代のトレンディドラマブームも一因といわれています。この時期は「あこがれの俳優」「トップスター」が存在し、どの局も同じ俳優を使いたくて躍起になっていた時代。そのため長期契約が結びにくく、結果として3カ月ドラマになっていきました。

一方で、同時に家庭用ビデオ機器の普及もあり、一話見逃すと話についていけなくなるような連続ストーリードラマも放送出来るようになりました。

たとえば、吉田栄作さん主演の『もう誰も愛さない』などは、あまりにも先が読めない展開から、“ジェットコースタードラマ”などと言われました。

一話で起承転結する時代劇や刑事モノやホームドラマは、人気が落ちてきても方向性を変えたり、一話だけを衝撃的にしたり、ゲストを出したりと途中で大きな変化球を投げることができます。
しかし、連続して話が続くラブストーリーやサスペンスストーリーは、なかなか容易に方向性を変えることができません。
必然的に、冒険をするには出来るだけ短いスパンのドラマを制作し、好評の場合のみ続編を製作する現在のスタイルが主になったといえます。

漫画原作で大ヒット。漫画というヒットの泉を発見!?

漫画原作の大ヒットドラマと言うと『花より男子』が真っ先に思い浮かびます。日本版だけでなく海外でもヒットしたほどの大人気となりました。

80年代後半から90年代は、1時間半枠の『月曜ドラマランド』でも単発で漫画原作が放送。連続ドラマでも1994年月曜『南くんの恋人』のヒットもあり、『お父さんは心配症』『八神くんの家庭の事情』など人気漫画のドラマ化が続きました。

そんな中、視聴率こそ10%程度でしたが、『イタズラなKiss』は海外でも大ヒットしました。その影響もあり、2003年には『花より男子』が『流星花園~花より男子~』として台湾でドラマ化。F4を演じた4人はそのままF4としてアイドルデビューしました。

この時代、逆に日本では韓流ブーム。『冬のソナタ』の大ヒットで、純愛・悲恋ものや過去のメロドラマのリバイバルなど、さまざまな影響を受けました。

日本のドラマが台湾に影響を与え、韓国のドラマが日本に影響を与え、まさにドラマ界が急激にグローバル化してきたといえるでしょう。リメイクドラマも数多く作られ、『花より男子』は台湾、日本、韓国などのアジア圏ばかりか、とうとうアメリカドラマでもリメイクされています。

年齢層がガラッと変わる!?次世代を取り込んだ名作ドラマ

時代劇や朝ドラといえば、昔からお父さんお母さんが観るドラマでした。とはいえ、年齢を重ねた視聴者が「私、今日から朝ドラや時代劇観る!」とはなりません。それなりにキーとなった番組はあります。

たとえば『必殺!』シリーズ。『大岡越前』しかり『遠山の金さん』しかり、政府の側から悪人を斬る時代劇が多いなか、「殺し屋」が主演。全世代に爆発的に人気となりました。
その時代の食文化や歴史背景なども織り込み、リアルさを追求した『鬼平犯科帳』なども、料理本が出るなど新たな世代を取り込むターニングポイントとなった作品と言えるでしょう。

そして朝ドラのターニング作品と言えば、やはり『あまちゃん』でしょう。
社会現象にもなった作品ですが、視聴率が爆発的に良かったかというと実はそうでもありません。あまちゃんがすごいのは、年代関係なく幅広い年齢層に愛されたことです。
これまで朝ドラに全く興味の無かった層が興味を示し、毎日放送するというドキドキ感や、人物設定の細かさ、ネームバリューだけでなく実力派を起用する確かなキャスティング、そして主演女優の成長を見守る楽しさなどに惹かれ、「朝ドラを観る」という習慣をつけさせました。

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その結果、2000年代には平均15%前後だった朝ドラの視聴率は20%台に戻り、そこから『あまちゃん』20.6%→『ごちそうさん』22.3%→『花子とアン』22.6%と右肩上がり。『あまちゃん』で朝ドラの面白さに気が付いた団塊ジュニアたちが、ネットで意見や感想を拡散した結果と言えるでしょう。

現在放送中の『あさが来た』の主演の波瑠さんは、14歳でデビュー。意外に下積みが長く数多くのドラマや映画に出演されています。
映画『女の子ものがたり』ではDV夫に耐える女性を、ドラマ『ノーコン・キッド』では女性天才ゲーマーを演じています。24歳にしてすでに人妻役まで幅広い年代で演じており、今期も高視聴率が期待できます。

台湾ドラマ界で大人気のディーン・フジオカさんも、今作品では重要なポジションを担っていますし、日本ドラマ界にまた新たな流れを作ってくれるかもしれません。

文/藤原ゆうこ

 

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