イライラムカムカさせるのは名女優の証拠!ドラマの中の印象的な悪女10選!

#絵里花#ムカムカ#イメージ#欲しかっ#意地悪

タレメREPORT2015年9月30日12:55 PM

善人ばかりではドラマは成り立たないのは分かってはいるけれど、その悪役っぷりのえげつなさに憎たらしくなってしまう「悪女」、いますよね。視聴者にそう思わせるほどの演技力が必要な上に、悪役のイメージが付きすぎてその後の女優人生の方向性も変わってしまうため、引き受けるのも勇気がいる悪女役。そんな印象深い悪女を10人ピックアップしてみました。

典型的な意地悪。ある意味裏表のない素直な人!?

1994年に放送され、衝撃を与えた『家なき子』。家庭内暴力や、信頼していた教師や伯父の裏切り、殺人、殺人未遂、伯母や従姉からの嫌がらせなど、小学生が直面するトラブルとは思えないほどにエグいトラブル続きで、パート1だけでもかなり衝撃的でしたが、パート2の榎本加奈子さん演じる絵里花お嬢様。この存在感は別格といえるでしょう。

パート2では、財閥家の相続問題から起こる殺人事件に巻き込まれる安達祐実さん演じるすず。その家のお嬢様である絵里花は、同居する千穂(実は絵里花の異母妹)やすずに、えげつないいじめをショーのように繰り広げます。彼女の分け隔てなく、母親にも発せられる高飛車な態度や、「絵里花がたとえてあげる」と言い放つ「エリカがビーナスなら、あなたはただのナス」のような秀逸なたとえ話は、その見事なテンポと内容にグッと惹きつけられます。

ドラマ史上最大の意地悪キャラといえば、2004年『牡丹と薔薇』で、小沢真珠さんの演じた、薔薇こと野島香世でしょう。ただ、香世の場合は「好きすぎて意地悪」という最強ツンデレです。子どもの頃から少々ツンデレ気味だった香世ですが、生き別れの姉、大河内奈々子さん演じるぼたん(真世)と偶然仲良くなったところを引き離され、「ウラギラレター」と大激怒。その後、同居する事になった際には復讐とばかりに暴言を吐いて意地悪し、あげくの果てにぼたんの恋人を死なせてしまいます・・・。もろもろの事情を知り仲直りしますが、今度は同じ人に恋をして、譲ろうとしたのにうまくいかず、これまた「ウラギラレター」と発狂・・・。結果、彼を譲ってもらう事になるのですが・・・。譲ってもらってからも、実は姉の子が彼の子だと分かり発狂して殺人未遂・・・。「同時に処女喪失したい」という発想や、財布ステーキを食卓に出すサイケデリックさや暴言など、とにかく裏表のない最凶キャラでした。「役立たずのブタ」など、セリフは定番ながらも真珠さんが美しい顔をゆがめながら言い放つ姿が美しく、とても印象的でした。

裏切られたお嬢様悪人といえば、2006年『ライフ ~壮絶なイジメと闘う少女の物語~』の、福田沙紀さん演じる愛海もそうですね。感受性が豊かすぎてセーブが効かない、とにかく傷つきやすい子でした。

複雑に絡み合う人間関係!?記憶に残る“ドロドロ系ドラマ”10選!

私を見て!一番欲しかったのは愛情なんです!

「好きな人を手に入れる」という目的のために人の命を奪おうとした牡丹と薔薇の香世とは違い、殺人未遂までは犯しませんし、そこまで悪女かというと微妙ですが、ここ最近の「悪い女」といえば、2009年『ブザー・ビート~崖っぷちのヒーロー~』で相武紗季さんの演じた七海菜月などはいかがでしょうか。周囲から慕われるしっかり者の美女という表の顔を持ちながらも、結果的にチーム内の男性3人と関係があった事、こっそり愛煙家であったことなどで女性陣からの激しいブーイング・・・。「悪女」のレッテルを張られてしまいます。彼氏がいながらもナンパな男とキスをする、浮気しておきながらも元彼といい感じの女の子にくぎを刺すなど、確かにひどい事はしていますが、煮え切らない上にちょっと心が離れ気味の元彼にも一因はありますし、ナンパ男も元彼との因縁が原因です。別にタバコを吸っても犯罪ではないのですが、表でいい顔をしながら、全く罪のないヒロインを責めるあたりが卑怯で悪女感を増しています。2014年の『リッチマン、プアウーマン』でも、恋のお邪魔虫として登場。すっかり悪役イメージです・・・。ただ単に意地悪をするだけではなく、「意地悪するに至った理由、心情をきちんと演技で伝える」それができるのが相武紗季さんという女優さんなのでしょう。

2011年『名前をなくした女神』で、壮絶なママ友いじめにあっていた侑子を演じたさんですが、前年の2010年『泣かないと決めた日』では壮絶ないじめ加害者である立花万里香を演じていました。しかも、好きな人を手に入れるために犯罪まがい・・・どころか、犯罪そのものに手を染めて相手を陥れる凶悪っぷり。どす黒すぎてもはやホラーです。

目的のためなら手段を選ばない!?

悪女しか出てこない『女系家族』は、1963年・1970年・1975年・1994年・2005年とドラマ化されています。2004年の『黒革の手帖』から強い悪女のイメージが定着した米倉涼子さん主演の2005年版『女系家族』は、遺産相続争いがドロドロで騙し合いの連続でした。結局のところ、お金や権力を争っていた女どもを出し抜いた父・嘉蔵が悪いのか、ちょっとでも遺産分配を増やそうと相手を蹴落とす女達が悪いのか、その女に取り入って騙そうとする男が悪いのか、最終的に皆を出し抜いて公平分配の末に10億の遺産を手に入れた米倉さん演じる文乃が悪いのか・・・。個人的には、横領しながらも全員に良い顔をして最後に勝った人に取り入ろうとした橋爪功さん演じる宇市こそが一番の悪者にも感じます。結果的に追い出されて遺産の横取りは出来なかったとしても、退職金3000万円ももらえてうらやましいどころか腹が立ちますね。

しかし、人格者を装いながら心の中がドロドロしている・・・そんな悪人こそが本当に怖い人でしょう。ふっくらした頬とナイスバディで、優しいけど厳しく頼りになる先輩、そんな印象の松下由樹さん。女優として大ブレイクしたのは、1990年『想い出にかわるまで』でした。姉の恋人を強引に略奪する「無邪気系悪女」沢村久美子です。実際は無邪気なんて可愛いものではなく、この役のせいでしばらく女子に嫌われていたほど。その後、1996年『ナースのお仕事』などで頼りがいのある先輩役を演じ、「責任感のあるしっかり者」イメージの付いた松下さんでしたが、1999年の『週末婚』では、見事に“女の嫉妬深さ”を役からにじみ出させていました。そして2004年『大奥 第一章』です。大切な家光公を将軍にするために、大御所様に直談判したり嫁候補を拉致ってきたり、邪魔なものはことごとく殺害する有能な乳母、春日局。ドロドロとしながらも深い愛情と確固たる信念があり、間違いなく悪役ではあるのですが、どこか女のカッコよさを感じました。

大奥シリーズで春日局に勝るとも劣らない怖さと強さを出していたのが、菅野美穂さん演じる篤姫。2012年の男女逆転大奥『大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』では綱吉を演じられています。どちらも迫力満点でした。そんな菅野さんの悪女っぷりを堪能できるのが、1999年の『恋の奇跡』。スキャンダルで悪女イメージの強かった葉月里緒奈さんがターゲット、清純派イメージの菅野さんが悪女のW主演作です。菅野さん演じる雪乃は、世話になっている塚本家の仲の良さに嫉妬し(原作では赤の他人、ドラマでは隠し子)、巧みに罠をめぐらして父を薬漬けにしたり、被害者ぶって故意に葉月さん演じる妙子を陥れたり、あげく母親を殺害したり・・・とやりたい放題の本物の悪魔。ニヤリと笑う菅野さんの美しさにゾクゾクしたものです。

狂った女が一番怖い!

2011年『美しい隣人』のサキも、雪乃同様に大変恐ろしい人でした。息子・隼人が死んだ事を受け入れることができず、同じ境遇の女性に嫌がらせを続ける仲間由紀恵さん演じるサキ。2013年『サキ』では、母の死に関わった男性を破滅へ追いやりますが、これにも全く後ろめたい気持ちなどありません。母が死ぬ間際に、自分ではなく弟・隼人の名を呼んだため、弟もターゲットするほどに愛情にまっすぐなのです。

嫉妬に狂った女ほど恐ろしい物はありません。高校時代に親友だったあいと操。高校時代の裏切りから一度は壊れた二人の友情が、改めて絡み合うのが2001年『水曜日の情事』。とくに石田ひかりさん演じる操の心の壊れ具合はハンパないものだったようです。15年が経ち、操の旦那さんが亡くなりお葬式の日。操はあい(天海祐希さん)の夫に目を付けます。しおらしい外見と名前とは逆に積極的な操。ついでに夜もかなり激しいようで、夫は疲労困憊・・・。「あなた、私の親友だった(強調)人と寝た?」と聞く妻の天海さんが怖すぎて・・・。それ以上に、親友のもの(夫)だから奪いたいという操の心が怖すぎます。いくらふらついた自分が悪いとはいえ、感情を振り回された夫が一番大変でした。

いわゆる人の嫌がることが大好きな愉快犯的な悪人もいますが、今回は、少し(だいぶ?)感情が強めの悪女たちを並べてみました。まだまだ色々なタイプの悪女がいそうです。どの人も絶対に身近にはいてほしくはありませんが、そんなエグい悪女がいればいるほど、ドラマはどんどん面白くなるのです。

今回選ばせていただいた、印象的なドラマの悪女10選

『家なき子』木崎絵里花
『牡丹と薔薇』野島香世
『ライフ ~壮絶なイジメと闘う少女の物語~』安西愛海
『ブザー・ビート~崖っぷちのヒーロー~』七海菜月
『泣かないと決めた日』立花万里香
『想い出にかわるまで』沢村久美子
『大奥 第一章』春日局
『恋の奇跡』倉田雪乃
『美しい隣人』『サキ』サキ
『水曜日の情事』天地操

文/藤原ゆうこ

 

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