夏休み子どもや若者にぜひ観て欲しい!懐かしの“家族ものドラマ”10選!
タレメREPORT2015年7月25日9:55 AM
ホームドラマは好きですか?家族愛や家族の形も年々変わっていきますよね。昔のホームドラマは3世代が普通でしたし、高度成長期以降は子ども2~3人と夫婦、そして田舎の両親を扶養するパターンが多かったように思います。90年代以降は、1~2人の子どもと夫婦、そして近くに住む両親がフォローしてくれる、と逆のパターンになっている印象。やはり親子の関係もかなり変わってきているようです。
子どもたちのトラブルも、昔は反抗期特有のものや非行などが主体でしたが、現在ではいじめ、モンスターペアレンツ、過保護、友達親子など、そのパターンも複雑になってきています。しかしどの時代のドラマも、色々な人の様々な考えや温かさを知ることができるという点では同じです。今回は、少し懐かしいものからすごく懐かしいものまで、ぜひ若い人に観て頂きたいおすすめの家族ものドラマを10本ご紹介したいと思います。
兄弟の絆を噛みしめる兄弟たくさんドラマ『ひとつ屋根の下』『天までとどけ』
親を亡くした兄弟たちが力を合わせたり反発しあったり、悩んだり苦難に立ち向かったり、今は少なくなってきた「兄弟」の絆を描いた1993年の『ひとつ屋根の下』。最高視聴率37.8パーセントを誇る伝説のドラマです。
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両親を事故で亡くした柏木達也が、弟妹たちと暮らすために奮闘するお話。江口洋介さんといえば、これで「兄キャラ」が定着した感がありますよね。熱い長兄に対して、クールながらも本当は熱い心を持った次兄・チィ兄ちゃん。福山雅治さんの「あんちゃん~」はもう物まねとして定番です。
実は血縁関係になかった、犯罪被害者になってしまった、非行に走ってしまった、事故で歩けなくなってしまった、裏切りに遭い心が傷ついてしまうなど、さまざまなトラブルに見舞われながらも力強く生きる若者たちの姿に日本中が胸を熱くしました。バブルの時代は恋愛ドラマが主流でしたが、このドラマのヒットを受け、数々の家族ものドラマが生まれる事になります。
人気となり、第8弾まで製作された昼ドラ『天までとどけ』は、朝の情報番組でおなじみの岡江久美子さんの出世作のひとつ。新聞記者の夫をささえ13人の子どもを育てる優しく賢いしっかりものの、まさに“理想の母”です。子ども役の若林志穂さん、河相我聞さん、須藤公一さんなど、いまも活躍するキャストが出演されています。特に次男役の河相さんは人気が高くなりすぎてスケジュールが合わず、「海外留学」という設定になってしまうほどでした。
同じ大人数兄弟ドラマですが、ちょっとだけ懐かしい2011年放送の『11人もいる!』はまさに現代的、というか新しいタイプのドライな兄弟物語でした。ちゃらんぽらんな父・実と、真面目で働きものの義母・恵(末っ子の実母)。それを支える真面目で地味なのに時々熱血な長男、神木隆之介さんが演じる真田一男が主人公。基本的に彼と末っ子・加藤清史郎くん演じる才悟を中心に展開される物語です。才悟にしか見えない、一男たちの実母の幽霊メグミがはちゃめちゃな性格でひっかきまわしたり、思い切った言動でまとめたり。親に振り回される真面目な長男という設定は、現実的で草食系の子どもが増えた現在では、逆に一般化してきているのかもしれません。
短い子ども時代を楽しむ家族のストーリー『ぽっかぽか』
お見合い結婚ながらも楽しい夫婦。外聞を気にせず、元気で楽しい七瀬なつみさん演じる“はは”麻美と、おおらかな性格の羽場裕一さん演じる“ちち”慶彦、そして娘のあすかの家族三人の物語、昼ドラ『ぽっかぽか』(1994年~1997年)。「母」としての一般常識とはかけ離れつつも、芯のしっかりしている麻美の言動が痛快かつほんわか、そしてジーンとくる心温まるドラマです。あすかを演じる上脇結友さんの、たどたどしくも一生懸命なしゃべり方が印象的でした。ママ友やご近所トラブルや誹謗中傷に耐えることもありますが、まっすぐ誠実にトラブルに立ち向かう麻美と、家族を支える慶彦の夫婦愛にあこがれたものです。
『ぽっかぽか』の麻美さんのようにハチャメチャではありませんが、2011年の『名前をなくした女神』で杏さん演じる秋山侑子とその夫、つるの剛士さん演じる拓水も「元気&おおらか」。そして「子どもらしく素直」な子どもという設定。まさに皆が描く理想の家族なのかもしれません。たとえ間違える事があったとしても、親がどれだけ子どもを愛して、正しく生きていくかを見せられる、そんなドラマです。
お父さんの子育ては大変!!『パパはニュースキャスター』『アットホーム・ダッド』
ある日突然3人の子持ちになってしまうハチャメチャストーリー『パパはニュースキャスター』(1987年)。シリアス路線だった田村正和さんが、『うちの子にかぎって・・・』で小学校の先生役でコメディに挑戦後、同じ枠でのコメディドラマに挑戦したのが本作です。田村さんのイメージ通りの“女にもてる二枚目ニュースキャスター”鏡竜太郎。12年前に作った3人の隠し子、西尾愛(めぐみ)・大塚愛(めぐみ)・鈴木愛(めぐみ)に振り回される日常がコミカルで、子どもから大人まで大人気に。「急な子育て」である上に、子どもから女性へと成長する小学校高学年の女の子という難しい年齢、しかも3人。思いもよらないトラブルの連続に笑いも絶えませんが、だんだん父親らしくなっていく竜太郎と、愛たちの親子愛にもホロっとさせられます。
新米パパといえば、2004年の『アットホーム・ダッド』も笑いあり、涙ありの名作でした。阿部寛さん演じる売れっ子CMディレクター山村和之は、マイホームを手に入れた直後にその強引さが災いしてリストラ・・・。篠原涼子さん演じる妻が雑誌編集者として復帰し、夫である和之が専業主夫として奮闘するストーリー。お隣には宮迫博之さん&中島知子さん演じる完璧主夫&女性実業家の杉尾家というお手本があり、「仕事は出来るけど家事はダメ」な和之との対比がまたコミカルでした。この作品以後、阿部さんも宮迫さんもすっかり「パパ」のイメージになりましたね。パパもママも、お互いの立場になりお互いを尊敬しあいたいもの。子どもたちに“大人も苦悩する”という事を魅せることができる作品です。
嫁と姑、小姑まで入り乱れて・・・『ダブル・キッチン』『長男の嫁』『ムコ殿』
結婚とは相手を受け入れ、許容すること。しかし、自分で選んだわけでもない人もついてくるわけで。1993年放送の『ダブル・キッチン』は、キャリアウーマンでスキューバが趣味の山口智子さん演じる現代的な嫁・都と、野際陽子さん演じる古風な姑・真知子がメインのドタバタコメディ。姑と嫁が意見のぶつかり合いに互いの妥協点を見つけ、孫の誕生で和解へと進んでいく。トラブルがありつつも最後はほっこりできる嫁姑バトルものです。野際さんの姑役は定番ですが、この頃の野際さんは、心配のあまり強く言ってしまう心のうちが見えて、なんだか逆に優しさを感じてしまいました。
1994年放送の『長男の嫁』は浅野ゆう子さん演じる幼稚園の先生・美里を中心とした姑同居物語。さらに翌年の『長男の嫁2~実家天国』は、キャスティングがほぼ一緒でありながらも野際さんは美里の母役。サラリーマン家庭の嫁実家と自営業の夫実家の考え方の違いなど、さまざまな問題に直面しますが、折り合いをつけて乗り越えていく姿は人生勉強にもなります。
逆に、婿の立場を描いたのは2001年の『ムコ殿』。売れっ子ミュージシャン桜庭裕一郎が5人兄弟の末っ子と結婚しムコ入り。出戻り二人とキャリアウーマンの3人の小姑と、義理の甥たちや義父と同居する芸能人の苦労話です。義姉に命令されてお風呂掃除をする長瀬智也さんが実に印象的でした。
義理でもいい!血のつながりばかりじゃない!『ママはアイドル!』『ママハハ・ブギ』
似たような設定の女性版といえば1987年の中山美穂さん主演の『ママはアイドル!』。永瀬正敏さんが息子、後藤久美子さんが娘という豪華キャスティングです。1989年浅野温子さん主演の『ママハハ・ブギ』は、織田裕二さんが長男、的場浩司さんが次男、石田ひかりさんが長女。どちらも義母が、心を開かない継子たちと心を通わせるストーリーです。我が子としっかりぶつかってしっかりと心を通わせたい、そんな気持ちにさせてくれるドラマかもしれません。
過去のドラマを振り返ってみると、昔は今よりずっと家族が言いたいことを言い合っていたような気がします。今回ご紹介したドラマを通じて会話が増えると、家族がもっと深くつながれるかもしれません。興味を持って頂けた方は是非一度ご覧になってみて下さい。
今回選ばせて頂いた、懐かしの“家族ものドラマ”10作品
『ひとつ屋根の下』
『天までとどけ』
『ぽっかぽか』
『パパはニュースキャスター』
『アットホーム・ダッド』
『ダブル・キッチン』
『長男の嫁』
『ムコ殿』
『ママはアイドル!』
『ママハハ・ブギ』
文/藤原ゆうこ